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No.51 龍神のふところへ誘われ(いざなわれ)

「ここはお前の世界ではない」と教えたが、雨に降られて聖域の門を超えてきてしまった。慎ましやかな布きれに隠された身体が震えている。  無理だ、帰してやれぬ。心を揺さぶり、私をとらえた瞳で振り向いたそなたの罪だ。 「会えた」 喜びを宿した瞳がもう一度私をとらえる。

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