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No.52 無題

雨が降り出した。今日の天気は晴れの予報だったから、傘を持っている人は少ないだろう。濡れた白いTシャツに素肌が透けた青年が、私の屋敷の軒下に駆け込んできた。 「すみません、止むまで雨宿りさせて下さい」 「もちろん。身体も冷えますからよろしければ中へどうぞ」 今日の私の食事が決まった。

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