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第41話
ベッドに横たえられてのしかかる一総と目があう。
双眸がこれでもかという位優しく細められてそれから一総は理一の瞼に唇を落とした。
穏やかな日々と優しい恋人。理一にとって子供の頃からずっとずっと願ってやまなかった事だ。
そのはずなのに何かがずっと引っかかっている気がする。
「どうした?」
一総が理一の頬を撫でながら聞く。
「なんでもないです。」
理一が一総の手に頬をこすりつけた。
こんなに幸せなのに違和感があるってだけで気にしていても意味が無い。
器用に理一のシャツのボタンを外していく一総を見ながら理一は考えるのをやめてしまおうと思った。
キスをされる。
今まで何度もされてきたのに、それだけで理一の思考はぐずぐずにとかされてしまう。
「ふぁッ……。」
息継ぎの瞬間自分の口からもれる喘ぎの様な吐息が恥ずかしい。
思わず理一はギュッと目を閉じると、それを咎めるように歯列を舌でなぞられ、そのまま一総の舌が理一の舌の根元まで絡む。
息苦しさと快感と羞恥で理一の目には涙がにじむ。
縋る様に一総のシャツを掴むと舌を絡ませたまま、唾液を送り込まれる。
必死に嚥下するが飲みこみ切れなかった唾液が理一の口元からこぼれる。
ようやく一総が口を離した時、目元まで顔を赤くした理一はゼイゼイと肩で息をしている状況だった。
「リーチは可愛いな。」
可愛いと今日は何度目だろうか? そして、それを聞くたび胸が痛むのは理一が一総事を好きだからだろうか?
理一は何か言わなくてはと口を開こうとしたところで胸の突起をくりくりとつままれる。
「ここ、期待してちょっと膨らんでるね。」
押しつぶすように乳首をこねられると、ビクリと震えてしまう。
そのまま爪で引っかく様にそこをもてあそばれて、理一は体をのけぞらせて身もだえる。
「気持ちよさそうだな。」
「うぅっ、気持ちい、ぃッ……あ、やぁっ。」
殊更強くつままれて、先走りが下着の中で溢れるのが分かった。
まだ服すら脱いでいない一総に見下ろされ、その視線だけでさらに感じてしまう。
きっと全部分かってる筈なのに一総は胸にしか触れてはくれない。
両手で乳首をいじっていた一総だったが、おもむろに右の乳首に舌を這わせる。
充血して赤く色づいたそこを舐められるとそれだけで、とろけきった声が漏れてしまう。
理一は足の先を丸めて快感を逃がそうとするが、まるでそれに合わせる様に一総は理一の乳首に歯を立てる。
「~ッ…、っ、…やらッ、そこばっかり、やぁっ!」
強すぎる感覚に涙をボロリと流しながら、理一は半ば悲鳴の様な喘ぎ声を上げた。
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