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第34話

百目鬼の手を取る。 彼にとってはこの状況が完全に想定外なのだろう。されるがままに手を俺に預けてしまっている。 表情には出していないつもりだけれど、最初だけ少し緊張した。 百目鬼の手をボクサーパンツの前に持っていく。 ぐにゃり。 まだ、平常と変わらない状態のものを百目鬼の手でぐにぐにと揉む。 はっ、という吐息が聞こえるがそれが自分のものなのか百目鬼のものなのか分からない。 百目鬼の手が熱い気がする。 一度触れるごとに自分のそこがどんどん固く膨らんでいく。 百目鬼の手を使った自慰の様なものだと、自分でもちゃんと理解している。 「な。ちゃんと、勃つだろ?」 告白までしているのに、冗談だと返した百目鬼に証明する方法を俺は他には知らない。 少なくとも、俺は百目鬼に欲情できる。 セックスしたいと思える。 直前になって怖気づいてしまうかと思ったけれど案外平気だ。 腹の中を洗っても平気だったから、まあ、多分他も平気だろう位の感覚しかないけれど、大丈夫そうだ。 「お前はなんで、そうなんだっ……!!」 百目鬼が唸る様に言う。 なんでそうなのか? 聞かれてもよく分からない。 お互いにセックスをしたくてする話の事を言っているようにも思えない。 「何が?」 お互いに目で見て分かるくらいちんこを固くさせておいてするような問答なのかとも思う。 彼の告白を真に受けると、これは彼にとって願ってもない状況じゃないのだろうか。 けれど、多分きっと百目鬼には大切な事なのかもしれない。

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