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第35話

「最初っからそうだったけど、俺、百目鬼がどうしたいんだかよく分かんないんだけど。」 少なくともこの状況は百目鬼が最初に告白で言ったものだ。 彼の言葉が本当ならこれは彼のやりたかったことなのだろう。 だけど、それよりも優先すべきことがあるのなら聞こう。 「ゲイのセックスどうやってやるのか知ってるのか?」 「ネットで調べた。今日もケツちゃんと洗ったし、なんの問題もないだろ?」 俺が答えると百目鬼は息を詰める。 シャワーを浴びると言ったとき、そんな事をしていると考えもしなかったようだ。 何度もお互いにセックスをするって話をしたのに本気でどうこうなることを考えていなかったようだ。 「俺があんなこと言ったからか?」 「いや。あの時はちゃんと聞き流してただろ。 あんなもん本気にする方がどうかしてる。」 「なら、なんで。」 百目鬼はまるで、ありえない、ありえないと夢から覚めようとしている子供のように見える。 「だから、信夫《しのぶ》さんのことが好きだからだよ。」 俺が言うと百目鬼は今度こそどうしたらいいのか分からなくなったようで俺の胸のあたりに頭を乗せて唸る。 悩むような何かが彼にはあるのだろうか。 「じゃあ、なんで百目鬼はあんなことを言ったんだ。」 俺が聞くと百目鬼はもう一度短く唸った。

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