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用語・解説

α(アルファ) 人口の約1割程度。 男女ともにオメガを妊娠させることができる。 知能や身体能力が高いとされ、社会的地位が高い人が多く、企業などでも優遇されることが多い。 オメガのフェロモンを嗅ぐと暴力的になる傾向があり、性的衝動を抑えるのも難しいとされる。 ・β(ベータ) 人口の大半を占める。 女性しか妊娠せず、社会的地位は中間程度であること多いが、努力次第でのし上がるケースもある。 まれにオメガのフェロモンの影響を受けることがあるが、オメガと番になることはない。 ・Ω(オメガ) アルファと同様、人口の約1割程度。 3ヶ月に1度だけ発情期があり、意図せず強い性フェロモンを発する。 それが学業や職務に大きな影響を与えることから、企業などでも冷遇されやすい。 また、「オメガは繁殖のための性」という考え方が未だ根深いため、アルファと番になったり、結婚すれば家庭に入るケースがほとんど。 しかし、近年はこれも見直されつつあり、少しずつ社会進出が進んでいる。 アルファ、ベータ、オメガはそれぞれ同種間で結婚するのが通常とされる。 特にアルファはエリート意識が高く、アルファの血を汚さない、絶やさないことを重んじている。 したがって、アルファはアルファとの結婚を望む傾向があり、そういった背景から、特権階級は専らアルファが独占しているという社会構造が仕上がっている。 転じて、ベータやオメガがアルファと結婚するのは「玉の輿に乗った」という感覚が一般的。 ・隠れアルファ、隠れオメガ 自分の性を隠してベータのように振る舞って生活するアルファもしくはオメガ オメガは職場や学校からの冷遇を恐れて、アルファは能力の高さから嫉妬や羨望の的になりやすく、そのため周囲と隔たりができ、トラブルに発展することも多く、それを回避するためにわざと隠す傾向がある。 ・(つがい) アルファがオメガの首に噛みつくことで成立する。 その噛み傷はアルファが存命している限り、生涯残り続ける。 アルファの体には何の変化も起きない一方、オメガはもう発情期が来なくなる。 アルファが存命している場合、番は解消できず、番になったアルファが死亡するとまた発情期がやってくる。 ・運命の番 発情と関係なくアルファとオメガが強く惹かれ合い、その相手と目が合った瞬間に「この人だ」と感じ、相思相愛状態となること。 しかし、これはかなり稀なケースであり、ほとんど都市伝説扱いとなっている。 ・拘束具 フェロモンにあてられたアルファに首を噛まれ、合意なく番にされないようにオメガがつける幅広の革の首輪(鉄芯入り)。 ・抑制剤 オメガが発情を抑えるための薬。 さまざまな種類があるが、1日に1回服用するものが多い。 いずれも病院での処方が必要。 副作用が重い人、アレルギーがある人など、さまざま事情で服用できない人もいる。そういった人のため企業などでは特別に休暇を申請することが認められている。 ・M区IT企業CEO刺殺事件 現在から26年前に発生した殺人事件。 東京都M区のタワーマンションで、女のオメガ(当時35歳)がIT企業CEOを務めていた夫(男性アルファ、当時40歳)の背中を、刃渡り15センチの包丁でめった刺しにして殺害した事件。 動機は夫の性的関係で「自分の弟(オメガ、当時32歳)とまで不倫していたことに腹が立った」と供述。 被害者は20人近いオメガを番にして囲って、30人前後の子どもを生ませていたこと、それを自慢話の種としていたこと、こういった「オメガの家畜化」が他のアルファにまで蔓延していることがメディアに取り沙汰され、オメガの地位向上が叫ばれるようになり、法律の改善が見直されるきっかけとなった。

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