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第7話
飲み会が終わり二次会の召集がかかっていたが、タクシーに乗り込み、親友のアパートへと向かった。
アパートについた頃にはすでに11時を回っており、それでも親友は嫌な顔ひとつせず迎えてくれた。
そんな親友を少しでも疑った自分が嫌になる。
酒に酔ってしまってあり得ない発想に飛んでしまっていた自分に苦笑する。
数ヶ月ぶりの会話だったがそんな時間を感じさせないほどに馴染んだ空気で、やはり訪れて良かったと思った。
また、元の関係に戻れるに違いない。
久しぶりに訪れた親友の部屋は相変わらずこざっぱりとしていた。
良くいえば整然とした明け透けにいえば物の少ない部屋で、大学1年の始めのうちに、サークル仲間の誰かが親友のアパートへ行こうと言っていたが何もないから来ても面白くないよと言っていた親友を思い出す。
親友に促されテーブルに座ろうとすると、部屋の角に明らかに親友のものではないシャツが綺麗に畳まれていたのが目についた。
たしか、あの金髪の男が着ていたシャツだ。
それを見た瞬間カッと頭に血がのぼり、飲み物を取りに行こうとした親友の襟元を掴み、ベッドへと押し倒した。
抵抗する親友にの姿に焦りを感じる。
ほとんど人をよせつけていなかった親友の部屋に当然のように入っていった男は、親友にとってどんな存在なのだろうか。
俺を好きだと言っていた親友はあの男のことを好きになったのか。
それとも親友だと思っていたのは俺だけで、親友にとって男は俺以上に親しい仲だったのか。
それともお金のためなのか。
「おれのこと、好きなんだろう」
あの日言った親友の言葉を並べると、先ほどまで抵抗していた腕の力を緩めた。
「そうだよ、ごめん。」
その言葉にひどく安心して、親友を抱いた。
確かに友人だと思っていたはずの親友を、愛しいと感じた。
今まで付き合ってきた誰よりも恋人のように優しく抱いた。
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