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第4話

「え!!……ああああのさ、夕焼けくん。大きなベッドが一つしかないんですけど、どうしてこうなった?!」 「だってなべさん否定しませんでしたよね?」 「だってさ、冗談だと思うじゃん!!男とダブルベッドってないわー。」 男同士でダブルベッドなんて俺は普通に引く。 「女の子だったら有りだったんですか?」 「うーん……。ドール仲間の関係上、それも無しだけど」 ドールオーナー仲間で女の子とダブルベッドで寝るというのも、なんか肉食系男子兼援助交際みたいに思われるだろうし、同性でも異性でも駄目なものは駄目だった。 夕焼けくんは床に荷物を置いてダブルベッドに座った。 俺も床に荷物を置いてから、椅子に座った。 「しょうがない、俺は床で寝るから」 「なべさん、ひょっとして僕を意識してたりします?」 「ないないない!!それはない!!わかった……一緒のベッドで寝ます」 「別になべさんが床で寝たいなら僕はいいですけど」 「ベッドに寝たいです!!」 「床なだけに『床じょうず』とか?」 「……」 今は冗談が何を言っても本気に聞こえてしまう。 「なべさん、ダブルベッドの部屋取ったら覚悟しておけよって言ってましたよね」 「冗談だよね?!ね?……ねっ?!」 「あれ、このダブルベッド湿ってる。ちゃんとベッドメイクしてあるのかな」 「え?湿ってるの?!そりゃないよ」 その言葉に釣られて、俺はベッドに触ったら、夕焼けさんが俺の腕をそのまま引っ張った。 夕焼けさんは俺に覆いかぶさるように寝転がった。 「ひえええっ!!ゆ、夕焼けくんっ。ちょっと待て待て……」 「僕は覚悟決めてダブルベッドの部屋取ったんです。なべさんも覚悟してください」 夕焼けさんはそう言って、僕の服に手を掛けた。 そういえばホテルのフロントで、従業員が俺達を見てニヤついていた。 なんにせよ、この部屋の科技を受け取ったんだから、ゲイのカップルだと思っていたんだろう。 こうなったら俺も男だ、腹をくくるしかない!! 「……なんて、冗談です」 「へ?」 夕焼けくんは僕の上から退けると、荷物を解いていた。 「数日間ここに一緒に過ごすんですから、このくらいの冗談は笑って切り抜けてください」 そう言って部屋に嫁(ドール)を出して撮影しだした。 「……ははは、夕焼けくん。だよね、こんなドールおじさんを弄ぶとか、流石だなぁ」 「なべさん、ベッドで百合撮影しませんか」 「え、美味しいね。するする!!」 俺もドールをキャリーケースから出して、夕焼けくんと撮影を始めた。

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