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第6話
帰りの電車の中で夕焼けくんは俺に寄りかかって眠っていた。
かなり熟睡していたみたいで、乗り換える駅も通り越して、終点まで行った。
「なべさん、すみません。僕が寝ちゃったから乗り換え出来なくさせて」
「数日間他人と暮らして疲れが出ちゃったんじゃない?」
「……そうですね」
夕焼けくんは頷いて笑ったけど、きっと俺と過ごしたせいで夜も満足に眠れなかったんだ。
君は誠実に俺に恋をしていたんだね。
「なべさん、ドールオーナー同士、これからもよろしくお願いします」
「ああ、よろしく。夕焼けくん」
そう言って俺達は握手した。
夕焼けくんの手は震えて汗を掻いていた。
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