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Just the way it is ⑤

 自分の服などに無頓着な晃良は、尚人(もしくは涼)が好きなブランド店に付き合うついでに店員や尚人たちに適当に自分の物も見繕ってもらって買ったりしている。この日もそんな風に過ごして、何件か店を回った。 「結構、買っちゃったな」 「そうだな。まあ、久しぶりにゆっくり買い物できたんだから、いいんじゃねーの?」 「晃良くんももっと買ったら良かったじゃん。なかなか買い物する機会ないでしょ?」 「ん……なんか、いいなっていうのがあんまりなかったわ。選んでもらっといて申し訳ないけど」 「そんなの別にいいけど。まあ、そういう時もあるよね。買い物モードじゃなかったんじゃない?」 「そうかもな」 「そういや、晃良くん、誕生日もうすぐじゃん。なんか欲しいものある?」 「いいって、そんなの。俺、物欲ないし」 「えーでも、せめてお祝いしようよ~」 「お祝いもいいって」  そんな会話をしつつ時刻を確認すると、ちょうど昼過ぎだった。尚人とどこかでランチをしようと相談していたところで、ふと思い出した。  あ、この辺って黒埼と行ったイタリアンの店の近くじゃね?  黒埼と初めてデート(と黒埼が思っている)した時、黒埼に連れてきてもらったイタリアンレストランがこの近くにあったはずだった。洒落(しゃれ)たお店だったので、常連でもない晃良が予約もせずに入れるか分からなかったが、あの美味かったパスタを尚人にも食べさせてやりたくなった。  尚人に話すと、ダメ元で行ってみようということになり、とりあえずそのレストランを目指した。そこで、涼の仕事場もこの近くだったよな、と思い出して一応声をかけてみた。ちょうどよいタイミングで交代になったらしく、合流するとのことだった。 「いらっしゃいませ」  そう言って、見覚えのあるオーナーらしき店員が迎えてくれた。晃良を見た途端、ああ、という顔になって笑いかけてきた。 「先日は黒埼様とご来店いただきありがとうございました」 「覚えていてくれたんですか?」 「もちろんでございます。黒埼様はよくご利用していただきますし、お客様も素敵な方だったので」 「いや、そんな……でも、あの……ありがとうございます。それで、予約もなにもしてないんですけど、大丈夫でしょうか? 後からもう1人来るんですけど……」 「大丈夫です。常連様用に常に個室は何室か用意させていただいていますので。ご案内致します」  個室へ案内される途中、すっごい洒落(しゃれ)た店だね。と尚人が小声で晃良に耳打ちしてきた。 メニューを眺めているところへ、涼も合流した。店の高級な雰囲気にきもち驚いた顔をして、晃良たちのいる個室へと案内されてきた。 「なにここ。凄え高そうじゃん。晃良くん、よくこんな洒落(しゃれ)洒落たとこ知ってたな」 「この前、黒埼と来た」 「へぇー、黒埼くんってやっぱ金持ちなんだな」

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