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Just the way it is ⑳

 沈黙が続いた。黒埼はどう答えようか考えている様子で、じっと晃良を見つめていた。が、やがて静かに笑顔を見せた。 「もういいよ。アキちゃんが悪いわけじゃないし。覚えてなかったんだからしょうがないし」 「分かってるけど。黒埼を傷つけたのは事実だから。やっぱり謝らせて欲しい」  ごめん。そう言って晃良はゆっくりと頭を下げた。 「……アキちゃん、頭上げて」  静かだが有無を言わせない黒埼の声音に晃良は言われたとおりに顔を上げた。いつものふざけた顔ではない真面目な顔をした男が目の前にいた。 「……確かに、ショックだった。アキちゃんの最初を別の男に取られたわけだし。一緒にもいられない上に色んなヤツとエッチしてたし」 「…………」 「だけど。俺にも非があるから。あんな小さい内にそんな約束させたのも悪かったし、アキちゃんの最初の男、道場の先生だかなんかだったっけ? そいつほとんど無理やりだったんだろ? あの時、俺、まだ何の力もなかったし、その事実すら後まで知らなかった。そいつ、アキちゃん以外にも道場の生徒に手ぇ出してたみたいだし。アキちゃんを守られなかった俺も悪いから」  まあ、でもそいつは後からしっかり落とし前はつけさせてもらったけど。黒埼が口角を上げてニヤリと笑った。 「だから。お互い様。思い出してくれただけで、嬉しいし」  そう言って、黒埼が近付いてきた。額に軽くキスをされる。とくん、と晃良の胸が鳴った。 「……ていうか、なんでお前、俺の初めて知ってんだよ」 「ん? そりゃ、アキちゃんのことは何でも知ってるし」  そこで黒埼が半ば誤魔化すように、そうそう、と言って話題を変えた。 「アキちゃん。もう1個、プレゼントあるんだけど。まあ、プレゼントというか、渡そうと思ってたんだけど、いつもうっかり持ってくるの忘れてなかなか渡せなかっただけなんだけどさ」

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