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Ready to fight ⑤

「うわぁ、見たかったぁ、そのニュース」  涼が仕事へと出て、しばらくしてから起きてきた尚人が、ニュースでの動揺を引きずったままの元気のない晃良を不審に思ったらしく、理由を尋ねてきた。嫌々ながらも簡単に説明すると、残念そうな顔でそう言った。 「また見れるって。そこの局のサイトで」 「そっか、そうだよね。後でチェックしてみよ」 「そんな面白いもんじゃない」 「えー、絶対面白いでしょ?」    その後、朝食を済ませた尚人が早速ネットでニュースを見て、あははは、やっぱ黒埼くんは只者じゃないよね、と笑っていた。そんな尚人を見つつ、さて今日はトレーニングでもして過ごそうかなと思っていたところにチャイムが鳴り響いた。  どきりと胸が鳴る。黒埼が訪ねてきたのではないかと思いつつインターホンで応対するが。来客は黒埼ではなかった。 「あ……」  モニターに映った人物を認めて、晃良はリビングで新聞を広げている尚人を振り返った。尚人がキョトンとした顔でこちらを見返す。 「どうしたの? 黒埼くんでしょ?」 「違う」 「え? じゃあ、誰?」 「……親父さん」 「…………」  晃良がそう告げると、尚人の顔が一気に不機嫌そうな顔に変わった。眉を潜めた顔のまま、立ち上がって晃良と交代する。 「はい」 『尚人か? 開けてくれ』 「……何の用?」 『……父親に向かってそんな言い方あるか。今日は用事があるから来たんだ。済んだらさっさと帰るから開けろ』 「…………」  尚人が無言でオートロックを解除した。事情を知っている晃良はその尚人の背中に声をかける。 「尚人……。大丈夫か? 俺、席外した方がいいか?」 「ううん、いい。晃良くんもいてくれる? すぐに帰るって言ってたし。勝手に来たのはあっちだから」 「でも……」 「晃良くんがいてくれた方が冷静に話できると思うし」 「……分かった」

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