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第41話 初めまして、リオンです

僕たちは学院のテラスカフェに行った。 このカフェは学院生も、お兄様たち高等生たちも利用できる様で、時間が遅かったにも関わらずまだチラホラと生徒達がいた。 カフェの目の前には中庭の芝地が青々と広がり、真ん中には可愛らしい池に水鳥まで泳いでいた。 天井までの吹き抜けガラス窓のカフェは、開放感があってとても気持ちが良かった。 僕は惹きつけられて思わず口をポカンと開けて天井までの高い吹き抜けを見上げた。 「気に入ったようだね?リオン。今日は気持ちが良いから外のテラス席で食べようか。」 隣でクスクス笑いながら、お兄様は軽食をいくつか注文するとキョロキョロする僕の手を引いてテラス席へ出て行った。 僕はお兄様について行くのに忙しくてカフェが急に騒ついた事に気づかなかった。 時間がズレてたせいかカフェはそこまで混雑しておらず、僕とお兄様は初夏のきらめく緑を楽しみながらゆっくりと食事を楽しんだ。 まぁそれも、つかの間の静けさだったけれど。 「みーつけた!」 お兄様が眉を顰めたと思ったら、後ろから悪戯っぽい声が聞こえてきた。 「別に呼んでないけど。邪魔だから立ち去ってくれる?」 聞いた事のない冷たい口調でお兄様は側にやってきた同じ様な背格好のシュッとした二人を睨みつけた。 「うわ、マジか。さっきまで見た事ない蕩けるような顔で笑ってたくせに、ヒドイっ! ほら、さっさとオレたちに紹介してくれよ。噂の弟くんだろ?」 お兄様はため息をつくと凄く嫌な顔で二人に僕を紹介してくれた。 「この可愛い天使がオレの弟のリオン。来年学院の方に入学予定だ。今日は見学に来た。 リオン?コレは私の友人だ。二人ともリオンには悪い影響しかないから名前は覚える必要ないからね?」 「おいおいっ、もうちょっと紹介してくれよ。しかも扱いの差が酷い気がするんですけどー。 もう勝手に紹介させてもらうからいいや。 リオン様、私はジャック ポートランドです。リュードとは学院時代から仲良くしています。 以前お屋敷にも何度か遊びに行ったのですが、なぜかリオン様にはお会いできませんでした。 よろしくお願いしますね?」 僕はお兄様より少し細身の人好きする甘い顔を見つめた。ジャック様は淡い水色の瞳を煌めかせ、顎までの濃い金髪がゆるく流れていた。 ふわぁ、王子様キャラ的イケメンだ。でも全体的に軽い感じがする。ニコニコしてて優しそう。ふふ。 彼の隣に居るもう一人はお兄様より背が高くて、見るからに騎士っぽくて僕の憧れる男っぽさだ。 後ろに流した短い髪も、そして鋭い瞳も、吸い込まれる様な黒さで濡れ光って目が惹きつけられる。 この人強いって感じするなぁーとまじまじと見つめていたら僕と目を合わせて言った。 「俺も勝手に紹介させてもらうよ。待っててもリュードは無視しそうだからね。 リオン様、私はヘンリック。ヘンリック バーモントです。ようやくお会いできたので、これからは仲良くしてくださいね。」 僕はボンヤリとお二人を見つめていた事に気づいて慌ててはにかみながらご挨拶した。 「リオネルン スペードです。大好きなお兄様と仲良くしてくださってるみたいでありがとうございます。 来年は僕もこちらの生徒になる予定ですのでよろしくお願いします。」

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