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第43話 落ち込む僕

季節はいつの間にか過ぎ去って、冬の社交シーズンが到来した。 社交シーズンが来てもお兄様は側にいない。 でも僕はそんな寂しさにも確実に慣れていった様に思う。 お兄様とやりとりする甘いお手紙が、今の僕のよく効くお薬であるのは間違い無いのだけれど。 お父様やお母様はそんな元気のない僕を気遣ってか、気疲れするパーティに出る事を無理強いはしなかった。 実際、僕の様なお子様が出たとしてもあまり意味はない様に思うし。 たまに、申し訳なさそうな顔をした『圧が…。圧に負けた…。』とモゴモゴ言うお父様がパーティに連れて行ってくれる。 お父様の言うアツ?ってのも何のこっちゃだし、知ってる人も少ない。 ヘンリック様やお父様の部下の騎士ズ、ユア様やご令息ズの誰かしらが必ず僕の周囲を囲っていることが多いしね。 僕はあまり話しかけられないので結局新しい知り合いがほとんど居ないまま、社交シーズンを終えたんだ。 あ、僕のお爺さまやお婆さま、お爺さま達のお友達方、名付けて御隠居ーズは別だよ。 彼らは僕を猫可愛がりしてて、いっつもデレデレに甘やかしてくれる。彼らは僕を変な目で見てこないから安心して甘えられるから、僕も彼らが大好きなんだよね。 あれ?僕ってもしかして他の人に避けられてるだけだったりして。ちょっと心配になってきたなぁ。 ユア様達はそんな僕を不憫に思って仲良くしてくれてるのかしら? 考え出すとまた落ち込みそう。うぅ。 僕はお兄様と離れてから、ちょっとした事で落ち込みやすいから気をつけなきゃなぁ。 だってもうすぐ僕、貴族学院に入学するんだもの! お兄様やヘンリック様に沢山お話しを聞いていたので、実は貴族学院がとっても楽しみなんだよね。 今度ユア様と仕立て上げた制服を着て見せ合いっこの約束をしたの。 楽しみだなぁ。 あれ?さっきまで何で落ち込んでたか忘れちゃった。僕ってもしかしてアホの子なのかなぁ。hahaha。 僕は約束どおりユア様達と“制服見せ合いっこdeショー”をやった。 これ言ったら、ユア様は何だそれ的な変な顔してたけれど、僕的にはとっても語呂がいい感じなんだ。 本当は学年が違うユア様は僕らと一緒に入学できないんだけれど、何とユア様は入学準備試験でぶっちぎりの成績をとって、飛び級が認められたんだって。 僕?僕は数学は良かったけど、他はまぁまぁかな?上の下って感じで、多分上位クラスには入れたんじゃないかな? 敬愛するお兄様なんて、上の上だよ。あんなに麗しくて成績も良いなんて、どうなってるのかな?はぁ、好き。 「リオン様、どちらで着替えますか?」

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