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第44話 見せ合いっこdeショー
ユア様にどこで制服を着るか聞かれて、僕の部屋に案内した。
お茶会で僕のお屋敷で見せ合いっこをしようって盛り上がった時に、あんなに参加希望者がいたのに今日は全部で4人。
随分少なくなっちゃったなぁ。皆忙しいんだね。僕は暇だけど。あは。
あえて僕の部屋にしたのは、練習も兼ねてるんだ。
ほら、学院に入ると寮生活になるでしょ?寮に入ったらセブに着替えを手伝ってもらえないから、一人で何でもする練習が必要なわけ。
お兄様は一人部屋だったけれど、僕たち学院生は高等生と違って二人部屋。
もともと同級生同士が原則らしいけど、今回はユア様が飛び級で入学するから、年上に虐められないように仲良しの僕と一緒になったんだ。
でも身体が大きくて、時々怖い顔のユア様を虐める生徒なんて居るのかなぁ。
そもそも侯爵家の後継だし。僕みたいに伯爵家のスペアとは違うよー。
僕は可愛いワンコと一緒で楽しみだけどねぇー?
僕とユア様はベッドの側で、令息ズはソファの側でそれぞれ着替え始めた。
ちなみに今日来てる仲良しの令息ズはアーサーとキース。
アーサーはボンティ伯爵家の後継で、キースはマカリファイム公爵の三男。二人ともとっても面白い子だよ。
僕は鼻歌交じりで調子良く服を脱いで行ってボンクス一枚になった時、ふと周囲の違和感をかんじて感じて顔を上げた。
なぜかみんなが手を止めてこちらを凝視していた。
わー、なんか思いっきり見てるんだけど。
僕はほんと情けないくらい華奢で筋肉がつきにくいタチだから皆呆れちゃったのかな?
よく見たら皆はそこそこ筋肉あるし。ユア様なんて、ゴリじゃん。ん?ゴリってなんだっけ?
僕は皆の凝視に耐えられなくなって、何となく乳首を手のひらで隠して言った。多分ちょっと赤くなってたと思う。
「ねぇ、恥ずかしいから見ないで…。」
皆は我に返ったようにモゴモゴと謝ってまた着替え始めた。
ユア様は隣なのにこっちに背を向けて慌てて服を脱いでた。別に凝視しなければ見ても良いんだけどね。
僕はテキパキ制服を着ると、1番に名乗りをあげた。でも2番だった。眼鏡っ子キースが1番だったから。
あいつぼーっとして僕を見てたくせに、そつがないなぁ。キースは戦略型優等生タイプなんだ。
ユア様と成績はいい勝負なんだけどタイプが違うというか。ユア様が将軍タイプなら、キースは参謀という感じ。
でも僕はキースのちょっと黒い性格嫌いじゃない。僕も実は黒いところあるからね。ふふ、人間だもの。
3番目に着替え終わったのはアーサー。アーサーは真面目でとっても良い奴。
アーサーほど善良で伸びやかな男の子は見たことない。絶対に裏切らない一生の友タイプだよね。
最終ゴールしたのはユア様。遅すぎない?何か深呼吸ばっかりしてたけど。
何で二人ともユア様に同情してるわけ?訳わかんないんだけど!
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