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第101話 僕の好きな地学の授業
「うわっ、また凄いことになってる…。」
キースは僕を見て顔を顰めた。
「え?なあに?」
「お前、その色気どうにかしないと、俺たちのクラス授業にならないんだけど…。」
僕はキースの言葉に顔が熱くなっていくのを感じた。
「そんな事言われたって、僕にはどうしたら良いかなんて分からないよ。」
「ふう。これは、ユアにお説教で良いのかな?全く婚約者が同じ寮に居るってのも、問題だな。」
僕はこれ以上キースの餌食になりたくなくて、そっぽを向いて授業を受ける用意をした。
今から受ける授業は地学だ。
地学は地下脈に眠る様々な有益な物質を勉強したり、探索したりするちょっとお宝探しのような勉強だなと僕は思ってる。
しかし僕ら貴族にとっては領地を有効に活かすための非常に大切な知識になる。
国の役人にとっても国家運営の大切な要素のひとつなんだ。
前回までは過去に利用されてきた有益物質とそれの発見条件などを勉強していた。
その時、僕は不思議に思った事があったんだ。
掘り起こさなくても水辺の側などに綺麗な鉱物が出る事ってあるよねって。
でもこれって教科書に書いてないし、そもそも貴族はあまり水辺に近づかないから知らないのかもしれない。
僕は昔から泳いだりして、水辺には親しみがある。
うちの領地のあのちょっと山肌が出てる険しそうな場所の近くの川側とか転がってそうなんだけど。
僕はぼんやりそんな事を考えながら授業を受けていた。
授業の最後に先生が地質実習を行うと話をしたので、僕たちは顔を見合わせた。
今回の試みは初めてらしく、護衛などの訓練も兼ねて騎士選択の生徒と一部騎士団も同行するとの事だった。
国の直轄地を利用するので、馬車で行くとしても一泊になるとの話だった。
僕たちは始めての試みに期待と不安で騒ついていた。
僕はこう見えて外活動は張り切る方だったので、キースの方を振り向きながら言った。
「キース!凄い楽しそうだよね⁉︎ 僕野外に行くの大好きなんだ。凄い楽しみ!」
キースは呆れたように僕を見た。
「リオンは呑気で良いよな。絶対大変そうな実習なのに…。
まぁ、アーサーやユアも参加するだろうし。
あれ?もしかして白騎士団も参加するのかな?リオンのお父上まさか来ないよな?」
ん?お父様…。うん、来るかも。僕が参加すると知ったら来たがりそう…。
でもたかだか学生の実習に騎士団長が参加したら示しがつかないよね?
僕は何だか面倒な事になりそうだと気が重くなったのだった。
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