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第7話「芸能人の中身」
鷹夜と芽依が付き合ってから1ヶ月と少し。
その間、彼らの間で何度も話し合いがあり、鷹夜の身体への負担も考えて、無理矢理にセックスを最後までやらないと言う約束をしてあった。
いける!と思ったときに鷹夜が声を掛ける。
その瞬間をただただ芽依は大人しく待っている。
一度、無理矢理に事をなそうとして失敗した2人が、2人で出した決断だった。
「本当に?無理してない?」
「こんなおっ勃ててんのに無理もクソもあるか」
芽依の驚きようがうざったかったのか、鷹夜は口を尖らせながら自分の脚の間に手を入れてパンツの中に収まりつつも硬くなっている自身のそれを下から押し上げるように掴んで見せた。
確かにそれは下着の中で勃起していて、形が良く分かる。
「いきなり口悪くなったのは照れ隠しってことでいいですか」
「ハイそうですよ。ヤんの、ヤんないの?」
「ヤ、ヤるッ!!」
鷹夜の挑発的な行動や物言いにゴクンッと喉が鳴る程に強く唾を飲み込み、すかさず「YES」と答える。
芽依の心臓は壊れそうなくらいにバクバクと血液を回し、全身の熱を上げていっていた。
何と言っても待ちに待ったその日が来たのだ。
「お許し」が出てしまったのだ。
もう抑えようがない。
「やばいやばいやばい、鷹夜くん、やばいホントに、」
「あのなあ、、え、大丈夫?具合悪くなったの?」
「違う、鷹夜くんに触れるんだって思ったら、泣きそうで」
「女の子じゃん。もう感受性が女の子じゃんお前」
「た、鷹夜くん、、鷹夜くん、好きッ」
「ぐわっ」
芽依の顔を覗き込んでいた鷹夜はいきなり抱き締められ、身長190センチ超えの男の体重をかけられたせいで変な声を出して押し潰されてしまった。
このやたらと体躯の良い男は鍛え上げているだけあって重さも半端ではないのだ。
筋肉がひ弱な鷹夜の身体にググッと割り込んで来て中々に痛い。
「芽依ッ、痛い、お筋肉様が、痛いッ」
「あ、ごめーん」
ヒョイと身体を離すと、グハッと詰まっていた息を吐き出して呼吸する鷹夜を見下ろし、芽依はデレデレしたまま彼の首筋に顔を埋めて匂いを嗅ぎ始める。
相変わらず落ち着く鷹夜の匂いがして、やっと2人でゆっくりできる休日が来たのだなと今月の仕事を少し振り返ったりしてしまう。
呆れつつも、そんな芽依の伸びた黒髪に手を伸ばし、鷹夜は彼を優しく撫でてやった。
「んん、やばい、ちんこめっちゃ痛い」
「ふはっ、興奮し過ぎ」
「脱がせていい?」
「ん。どうぞ」
途中まで捲っていたクマのTシャツに再び手をかけ、そのままスポンと頭と腕を抜く。
もう見慣れた筈の鷹夜の肌に視線を落とし、脱がせたTシャツはベッドの足元の方へくちゃくちゃにして置いた。
「可愛い、立ってる」
「ンッ」
露わになった肌の上の色付いた小さな突起を指先で弾くと、目を細めながら鷹夜が身を捩る。
随分と開発の進んでしまった乳首はこの1ヶ月と少しの間で少し大きくなったような気さえする。
そのくらいにはしつこく、芽依に愛撫されたのだ。
(すごいよなあ、、竹内メイが俺の裸見て欲情してんだから)
「存在に顔射(感謝)する」と言う妙なキャッチフレーズが生まれてしまった程、俳優・竹内メイ、本名・小野田芽依は顔が良く、最近では去年の初めのスキャンダルなどなかったかのように人気が回復している。
そんな芸能界の若手の売れっ子俳優が自分の恋人だなんて、と、鷹夜はたまにこれが現実なのかが疑わしくなるのだ。
けれどしっかりと目の前にいるのは芽依であり、何より、わざとらしく持ち上げた膝に押し当てられている彼の脚の間のそれが、熱く硬くなっているのは言うまでもない。
芽依ははっきりと、鷹夜に欲情しているのだ。
「鷹夜くん」
「んあっ」
ピンッと強く乳首を弾かれ、思わず腰が揺れた。
「俺とエッチすんのに何考えてたの?」
「んっ、やめろ、んっ、んっ」
「ボーッとしてたじゃん今。何考えてたんだよ」
「んっ、待てって、ぁ、んっンンッ!」
急に乳首に吸いつかれ、ビクン、と今度は全身が震える。
右の乳首は指先でこねられ、左は吸い付かれたまま愛撫が続き、芽依の質問に答え様にもそんな暇がない。
「鷹夜くん、吸われるの好きになったよね」
「はあ、はあっ、ぁん、んっ」
胸元に顔を寄せる芽依を見下ろしながら、甘ったるい刺激に眉間に皺を寄せて堪える鷹夜。
徐々に身体が熱くなっていき、脚を擦り合わせて下半身の切なさに悶えている。
(やばい、久々で辛い)
辛い、に加えて、刺激を受けるたびに後ろの穴がきゅうきゅうと締まるのがむず痒い。
乳首を舐めるその舌で、穴をいじられたくて堪らない。
「芽依、ぁ、あ、芽依っ」
「ん、?」
「気持ちい、それ、やめて、」
「気持ち良い?ならやめない」
「え、ぁ、んぁあッ」
ぢゅううっ、と音を立てて乳首を吸われると目の前がチカチカする程の甘い痺れが頭の先まで駆け抜けていき、背中が弓なりに沿った。
「鷹夜くん可愛い」
「ッ、はあ、気持ちい、はあっ」
「下も触って良い?」
「あ、?あっ」
忍ばせた手で鷹夜のパンツの上からゆっくりと形をなぞるようにそれを触ると、芽依は彼を見下ろしながら愛しそうに視線を細める。
「硬くなってる」
「そりゃ、こんな、ぁんっ」
キュッと先端をつまむと、甘い声が漏れる。
下肢に走る痺れが切なくて、喉の奥から溢れてくる自分のものではないような喘ぎ声にまだ慣れなくて、心細くなった鷹夜の手が芽依の腕を掴んだ。
「やだ?」
「や、じゃない」
「パンツ脱がせていい?」
「ん、」
少し腰を浮かせて脱がせやすくすると、芽依は器用に片手でしゅるしゅると鷹夜のパンツを脱がせ、少しシミのできたそれをまた足元の方に放った。
勃起して反り返った鷹夜の性器はヘソの下に先端を向けている。
「舐めさせて」
「あ、」
癖で拒絶をしようとしたのに、そう言った瞬間の芽依の、動物の雄、とでも表現するような視線に抗えず、鷹夜は口をつぐんだ。
「んん、んっ」
胸元から口を離し、肋骨、ヘソの横、下腹と舌を這わせ、ゾリ、と下の毛を撫でてから芽依の唇が鷹夜のそれの先端に当たる。
「あ」
これから何をされるのか、どんな刺激が与えられるのか。
そんな事はもう何度もされたせいか頭に入っていて、シミュレーションさえできる。
けれど、まだ慣れない。
だからだろうか。
芽依の言葉に自然と身体に力が入った。
期待と緊張で、ほんの少しだけ。
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