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第8話「明日から休みなわけで」
生暖かいそれは匂い等はなく、ただ愛しい体温と、少ししょっぱいような味がする。
「ん、、ん、ぅ、んっ」
鷹夜の口から漏れる色っぽい声や扇情的な表情が好きだ。
気持ちが良いと彼が感じる事は全てしてあげたい。
夢中になって快感に酔い、呼吸する事以外忘れてしまうような瞬間を与えられるなら、フェラなんて何時間でもしていられる。
芽依は鷹夜の足元に座り、身体を折り曲げて彼の性器を舐め、たまに亀頭を口内に入れて吸い上げ、左手で脚の付け根を撫でながら鷹夜の反応を伺っていた。
「ん、可愛い。気持ちいい?」
「アッ!め、芽依、あっ」
ねっとりとした舌が性器に絡みつくたびに、鷹夜が切なげな声を上げる。
喘ぐ彼の姿を満足そうに見つめ、太ももを撫でながら、芽依は一瞬そこから口を離した。
「いつでも出していいからね」
「ダメ、だって、、はあ、あっ」
あれから、フェラをするたびに芽依はわざとらしく鷹夜の射精した精液を全部飲んでいた。
毎回鷹夜に嫌がられるのだが、嫌がる、恥ずかしがる彼を眺めるのが良いらしい。
舌先でぐりぐりと性器の先端をほじりながら鷹夜を見上げて笑ったが、彼は顔を背けたまま、与えられる快感に腰を跳ねさせるばかりだった。
「ん、」
「あ、あぁあっ」
ちゅぷぷ、と喉の奥にまでゆっくりと性器を飲み込んでいくと、一瞬腰が浮いた。
(芽依の、口の中、あったかい、、)
温かい口内に包み込まれると、何とも言えない気持ちの良さが腰を疼かせる。
支配されてる、良いようにされていると言う感覚が堪らない。
「や、だ、ぁ」
裏筋をべろんと舐め上げられ、情けない声がまた漏れていった。
「んは、すごい垂れてきた」
「ごめん、ッ、き、もち、良くて、ンッ」
鷹夜の性器の先端からダラダラと溢れてきた先走りの透明な液体を舐め取りながらニヤ、と芽依が笑い、更に出せとでも言うようにまた尿道の入り口をぐちぐちと舌先で攻める。
「あ、ンッ、アッアッ」
鷹夜が激しく喘ぐ間も、容赦なく根元から亀頭の下までをゆっくりと芽依の指で作られた輪っかが包み、上下に擦り上げている。
こんな事ももう慣れたものだった。
鷹夜が射精したくなる気持ちの良いポイントや動き、速さなんてものは、彼をよく見ている芽依は既に把握済みで、何個かパターンさえ組まれている。
「出して。ね、鷹夜くん」
「やだッ、アッ、や、だ、ンッ!」
1番好きな速さと強さで攻め立てると、ビクッ、ビクッと身体が震え始め、鷹夜の声が高くなった。
ヒュッ、と掠めるような呼吸音が部屋に響き、明らかに身体に力が入ったのが見えた。
脚の間にある芽依の頭に鷹夜の手が伸びて、伸びた黒髪を撫でてから頭を遠ざけようと押してくる。
「んん、イク、いやだ、ぁ、イクッ」
高まってきた射精感に抗うように身体を捩り芽依から逃げようとするのだが、ガッチリと太ももを掴まれていて動けない。
「ぁ、あ、あ、ッ」
「飲ませて。俺の口に出して」
頭を押してくる手を左手で払い、邪魔されないように指を絡めて手を繋ぎ、シーツに押し付ける。
「イクッイクッ!いやだ、イクッんあっ」
「イッていいんだよ」
「いっ、あっ、イクッイクイクイクイクッ」
絡めた手に力が入ると、鷹夜の声が上擦っていく。
「や、や、ぅうっ、、、あ、ンァあっ、ッう、ッッ!〜〜ッ!!!」
「ッん、」
爪を立てないように指の腹に力を入れ、鷹夜は芽依の手の甲に指を食い込ませた。
それと同時に歯を食いしばると、離してもらえない下半身を硬直させながら一度グッと腰を突き出して、カクンカクンと小刻みに腰を振る。
暫くすると芽依の口の奥に性器を押し込みながら、泣きそうな表情で射精を始めた。
「ッぁ、ハアッ、ハアッ」
彼の身体から力が抜けてへたっとなるまでには、芽依の口の中に白濁した精液が溜まっていた。
「ん、」
ゴクンッ、と言う音と共に芽依の突き出た喉仏が上がってから下がり、その溜まった温い液体を飲み込んでしまった。
一滴も零さず、何なら尿道に残った薄い精液まで吸い出して喉を鳴らすと、満足気に鷹夜に覆い被さっていく。
「飲んじゃった」
「っはあ、ふう、ふう、、ん。やめろって、バカ」
「ふふ。怒んないでよ」
鷹夜は居心地悪そうに少しだけ瞼を上げて彼を睨む。
未だに落ち着かない呼吸のせいで、少し慌ただしく胸板が膨らんでは直ぐに萎んでいく。
「はあ、、病気んなるよ、ホントに」
「ならないよ。なってもいいし、鷹夜くんの精液が原因なら」
「何だそりゃ」
「穴舐めていい?」
「んー、、も、ゼリーでほぐせば良いじゃん」
「ダメ。舐めるとこから」
「あー、もう。バカ」
「んふふ、怒った顔も好き」
「大バカじゃん、、はあー、もう、キスして」
「ん」
嫌だ、やめろと言う割に、そう言って自分を許す鷹夜が愛しくて、芽依は言われるがままに仏頂面をしている彼に口付ける。
舌を絡めて唇に噛み付いて、鷹夜の舌を音を立てて汚く吸い上げても、鬱陶しそうな表情のまま彼はそれに応えてくれる。
「っん。後ろ向くのとこのままお尻上げるのどっちが楽?」
「んー、後ろ向くのは嫌だけど腹苦しくなるのも嫌だ」
「えぇ〜。じゃあ横向く?試行錯誤が必要ですけれども」
「ふはっ、いいよ、このままがいい」
「ん」
ぽんぽん、と鷹夜に頭を撫でられてから、身体を起こし、自分の両側にある彼の脚をゆっくりと折り曲げる。
そのままググ、と持ち上げて腰の下に枕を入れ、こちらを向かせた尻を固定するように腹に手を回して鷹夜の下半身を抱え込むと、目の前にはすぼまった小さな穴が現れた。
「身体、大丈夫?」
「普通に恥ずかしい」
無理もない。
鷹夜からすれば身体を曲げて膝を抱えるようにしながら、芽依に自分の後ろの穴を見せているのだ。
「ちゃんとやるの久々だもんね。お仕事お疲れ様、この休みはゆっくりしよーね」
「この体勢で言われても、、っん、あっ」
「触るよ」とも言われず、突然性器と後ろの穴の間、会陰を舐められ、びくんっと鷹夜の身体が震える。
折り曲げた脚の間から芽依がそこを舐めるのが良く見えて、自分の顔は見られたくないが彼の事は見たくて、呼吸を荒くしながら薄目を開けて、鷹夜は芽依を見つめた。
「鷹夜くん」
「んっ、ぃ、ンッ」
「好きだよ。気持ち良くなろうね」
「んっんっ、んん、んっ」
会陰から徐々に舌が後ろへと上がり、すぼんだ穴の入り口を掠めるように舐める。
「ッあ、!」
舐められた瞬間、もぞ、と鷹夜の脚が動き、足の指が丸まってギュッと力が入った。
(可愛い)
思わず目を閉じた鷹夜の顔を盗み見ながら、芽依はねっとりとした舌をベト、と穴につけて蓋をする。
「ぁあっ、あっ」
そこからじっくりと穴の入り口を舐め上げた。
舌の付け根から先端まで、時間をかけて穴の上を通過させ、濡れた生暖かいものが自分でも触らないようなところを舐める感覚に悶える鷹夜の表情を堪能していた。
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