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第13話「据え膳食えず終い」

やっとのことで鷹夜のそこから芽依の肉棒が引き抜かれた。 抜く際に、ンボッ、とよく分からない音がした事に鷹夜は再びパニックになって、相変わらずの感情ジェットコースターを芽依に披露している。 時刻は既に午前2時半を過ぎ、ドッと疲労感に襲われた2人のテンションは良く分からない方向に突き進んでいた。 「指2本より太いってどういうことッ!?!」 芽依に向かって裏ピースを決めながら、素っ裸の鷹夜は膝立ちをしたまま彼を見下ろす。 確かに少しだけ先端が中に入ったが、あんな状態では入った内に入らないな、と冷静に考えつつ、それでも先っぽに感じた鷹夜の後ろの穴の圧迫感が忘れられない芽依は「もう一回挿れたい、、」なんて思いつつも、怒りなのか焦りなのかパニックになっている鷹夜に両手を伸ばした。 抱き締めようとしている。 しかし鷹夜は下手に警戒心が高くなってしまったのか、腕から逃れて芽依から距離を取り、枕側に寄ってシーツの上にあぐらをかいて座った。 (あ、鷹夜くんのちんこ萎えちゃってる。可愛い。口に入れてもちゅもちゅしたい、、) ドサッとベッドに座った拍子に、鷹夜の萎えてしぼんだ性器が柔らかそうにふにゃん、と揺れるのが見えて、芽依の心臓はドキッと高鳴ってしまった。 しかしすぐに「そうじゃないだろ」と心を落ち着かせ、自分の性器の大きさを反省すべきなのか、それとも鷹夜を無理矢理抱き締めて落ち着かせるべきなのか、1回シャワーを浴びさせるべきなのかを悩み始める。 「ごめんごめん、ね?ごめんて」 とりあえず、チャラ男っぽく謝っておいた。 「俺のなんてお前の指2本分の太さもねえのに!!バカ!!バカちんこ!!バカちんぽ男!!」 「普通にひどくて笑うからやめて」 パニックになり過ぎて、鷹夜は自分が今何を言っているのかが理解できていない。 (俺が落ち着かなきゃ、俺が、俺が、、) この場で冷静になれるのは自分だけだ。 慌てふためく鷹夜を見つめつつ、芽依は芽依で彼の言葉に何と答えたらいいのかもよく分からず、とにかくこの場を解決しようと頭を回した。 しかし、結局目の前にいる素っ裸の鷹夜を見てまた欲情し出して、萎えた筈のそれがやや勃ち上がってきてしまっていた。 (もうやだちんこ痛い。鷹夜くんのちんこもちゅもちゅしたい) もうお互いに冷静さなど何処にもない。 片やパニック、片や助平心の塊となって収拾のつかない事態になっていた。 何より、日頃の疲れでもうだいぶ眠たいのだ。 (何で入んないの!?何で、ど、どこまでデカいんだ!?芽依のアレ、だって、直径4.5センチって、何と同じくらいだ!?子羊の脚とか?豚足?個体差があるか。乾電池?乾電池の太さってどのくらいだっけ?単1ならそのくらい太いっけ?それ単4だっけ!?アレ!?電池って太いと数字が大きくなるんだっけ!?アレ!?!?) (怒ってても可愛い。てか何でちんこの大きさで怒ってんだろ。可愛い。抱きたい。ちゅーしたい。無理だ全部可愛い。俺は鷹夜くんの可愛くて格好いいちんこ好きだけどな。別に小さくないし俺のより色綺麗だし、ずっとフェラしてられるけどな。今度24時間フェラ耐久とかやりたいけどな) 脳内はこの有様である。 「、、アッ!!じゃ、じゃあ!!俺が挿れられる側になるよ!ね!?」 そして今の芽依が考えられる最善の答えがこれだった。 「5歳も年下のくせに気を遣うな!!俺がダメな大人みたいじゃんかあッ!」 しかしその提案すらも鷹夜は拒絶した。 もはや何がしたいんだ。 どうしたいんだ。 お互いがお互いに「何言ってんだ?」「どうしたいんだ?」状態に陥り、頭の上にたくさんの「?」が浮かんでいる。 鷹夜とセックスはしたいが、どうしても痛いなら自分よりも小さい鷹夜の性器を自分の尻に入れてしまえばいい、と言うのが芽依の思いついた考えだった。 多少は無理があるが、まあまあ現実的な解決策ではある。 「そんなこと絶対ないよ!!鷹夜くんは世界一格好良い大人だよ!!」 「ぇ、」 「でも、鷹夜くんが辛いならそれも有りかなって思うじゃん。酷いことも痛いこともしたくないんだよ!」 「め、芽依、、、」 先程から怒ってはいたが、別段、鷹夜は芽依の性器の太さを責めるつもりはない。 すごいな、いいな、立派だな、とは思うものの、それが悪い訳ではないのは理解できている。 ただパニックになっていただけだ。 どちらかと言えば、自分の尻の具合が悪いばかりに芽依に迷惑をかけてしまっているといじけているのだ。 そして、芽依が本気で「セックスできるならタチとネコを交換しよう」と言うのにまた気を遣われた、無理をさせている、自分が大人気ないからだ、と落ち込んでいる。 しかしあまりにもまっすぐで鷹夜に無理をさせたくないと言い張る彼が眩しく、変な意地は捨てて泣きそうになりながら芽依を呼んでシーツの上を移動し、広げられた彼の両腕にすっぽりと収まってしまった。 「俺、鷹夜くんのちんこなら挿れられたいよ?」 「んっ、うぅ、、ん、ありがとう、ごめんパニクって」 「ううん。大丈夫。でも本気だからね?」 そうやってくっついて話すと、やっとパニックが治った。 「だ、大丈夫。俺、挿れられる側でいい、、」 「え、何で?辛くない?嫌なんじゃないの?」 「嫌じゃないよ」 腕の中に鷹夜が収まった事により、芽依もやっとホッと力を抜いた。 戻ってきた愛しい体温をギュッと抱きしめて首筋の匂いを嗅ぎながら、ゆっくり彼と話をつけていく。 「ホント?ホントに?」 「ホント、、それに、こんなにぐずぐずにお尻でイケるようになっちゃってんのに、今更ちんこ挿れる側に回るの、無理」 「あ、、、」 瞳に涙を溜めたまま、少し恥ずかしそうに腕の中の鷹夜はボソボソと小さな声でそう言った。 芽依は思い浮かんだままに提案を口にしたが、考えてみればそうかもしれない。 最近では後ろの穴だけでもアンアン喘いでくれるようになってしまった鷹夜に、今更挿入側に回れと言うのは酷い話しだ。 何より、タチネコを交換したとして、芽依が今の鷹夜のように後ろの穴に何か入れられるようになるまではかなりの時間がかかるのだ。 そうなっては、またセックスまでの道のりが遠くなる。 「って、ぁあーッ!泣かないでッ!泣かないでって!!」 「俺の、お尻の穴が、、不甲斐ないばかりに、、」 「違うって!!!」 どうしてそうネガティブになるのか。 鷹夜は肩を震わせながらぼろぼろと泣き出していて、気がついた芽依は慌ててティッシュケースからちり紙を高速で3枚抜き取り、すぐさま鷹夜の目元に当てる。 「こんな、イキまくる、バカで淫乱な尻になって、、ごめん」 「全然!?全然好きだよ!?」 「い、今更、芽依の逞しいお尻に、俺のちっちゃいちんこなんて挿れらんないし、それに、こ、こんな、、こんな尻になったの誰のせいだよお」 「鷹夜くんごめんね!?ごめんなさい、泣かないで、俺がお尻でイケるようにしちゃったんだもんね!?」 「そうだよお、、!!」 涙と鼻水を同時に出しながら、ぐちゃぐちゃになった顔を上げた鷹夜が芽依に抗議する。 芽依はそれでも頭の片隅で「泣いてる鷹夜くんも可愛い、、」と変態じみた事を考えていた。 しかし表向きは紳士的に、またティッシュケースから5枚くらいちり紙を抜いて鷹夜の鼻に押し当て、グイグイと鼻の中に突っ込んで鼻水を拭き取ってやっている。 本当は股間が少し熱いくせに。 「俺がいじりすぎて乳首も感じるようになっちゃったし、お尻の穴もすぐ解せるようになっちゃったもんね!?俺のせい!!俺のせいだから全部!!ごめんね、大好きだよ!?ごめんね!?」 「バカぁあ、、!!」 「バカです!!バカですごめんなさい!!」 泣き止まない鷹夜が悔しそうに両手でポカポカと芽依の胸板を殴る。 もうここまで来れば2人とも察しがついていた。 今夜のセックスは諦めるべきだな、と。

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