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Trac03 New Rule/デュア・リパ 前編
『ーーーーアイツの下にいる限り、解放されるなんてことはない』
New Rule/デュア・リパ
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『よっ、いま時間空いてる?』
反射的に出てしまったスマートフォンから流れてきたのは、軽快で甘い響きの声。
それがジョンの声だと分かった瞬間ガチャ切りした。
この前シたばっかじゃねえか。それにアプリから送って来いよ。ユウジとの生活にアプリで出会った相手が介入してくるのはいい気分ではない。
またスマホが鳴った。Hated Johnの着信音。ジョンだ。2回ほど無視していたが、ユウジに
「うるさい。カホが起きるだろ」
って言われて渋々出た。ようやく寝たとこだしな。廊下に出てスマホを耳に当てる。
「んだよ」
『無視すんなよ、お前今どこ?』
「家だよ」
『暇?』
「暇じゃ」
『よし、じゃあxxってラブホに来れる?』
「暇じゃねえっつってんだろ」
もちろんウソだ。また切って、なんなら着信拒否にしとこうと思いながら通話終了のキーを押す。
『お前3Pって興味』
その刹那、この台詞が耳に滑り込んできた。
3人ではヤッたことないし、ちょっと興味あるかも。
手の上で転がされてる気がして苛ついたが、俺はジョンに電話を掛け直した。
ジョンの言っていたラブホに着くと、地下駐車場に停めてあったフィールダーの中に、本当にもう1人いた。線の細い、整った顔をしたヤツだ。
二十歳そこそこってとこかな。俺と同い年くらいだ。
「よっ、迷わず来れた?」
レザージャケットを着たジョンが運転席から降りてきた。ぴたりと体にフィットするデザインと光沢のある布地がスタイルの良さを際立たせている。なんでそんなにサマになってんだムカつく。
「こっちは相沢くんね、コイツはハジメ」
相沢と呼ばれた男は繊細そうな面持ちで、俺の顔を上目遣いで見る。そして会釈してきた。俺が言うのもなんだけど、なんか暗そうなヤツ。
「じゃ行こっか」
ジョンだけが楽しそうに先頭を歩いて行った。
俺は初めて来るホテルだったけど、受付では何も言われなかった。たまに複数人で来ると断られるとこもある。
パネルで選んだ部屋に入ると、ベッドのサイズも内装も特に変わったところはない。
「俺3Pしたことないんだけど」
ジョンに言えば
「え、俺もだけど。取り敢えず交代で風呂場行ってきて」
相沢もネコやるんだ。まあ見かけ通りっちゃ見かけ通りだな。
先に相沢が風呂場に行くと、ジョンはベッドの上でスマホを弄る俺の隣に座った。顔を覗き込んでニヤっと笑ってくる。色恋沙汰はさっぱりだけど、こういう雰囲気はすぐに分かる。溜息まじりに
「好きにすれば?」
って言えばキスしてきた。服の中に手が入ってくる。これからヤるってのに。途中でへばったら帰るからな。
相沢が戻ってきたら交代して、風呂場から出たらもう喘ぎ声が聞こえてきた。
相沢はベッドにうつ伏せになって、後ろの孔からジョンの指を入れられていた。ジョンが俺の方に振り返れば、
「あ、前触ってあげて」
と驚くほど気軽に言ってきた。相沢はジョンに促されよろめきながら四つ這いになる。
足の間に手を入れて相沢のを握ると完勃ちしていた。先走りに手を濡らしながら擦ると、 Aの音で啼きながら呆気なく精液を放った。
ジョンが指を抜くと、相沢はまたベッドに崩れ落ちる。
「どっちが先に挿れる?」
どぎついコトを言っているのに顔には爽やかな笑みを浮かべている。
知り合いが他人とヤッているのを目の当たりにすると妙に冷静になるな。もっと言えば萎える。
「挿れるのはまだ無理かな」
「じゃあ俺が先な。どうする?口でしてもらう?」
AVとかでよくあるヤツ、とジョンは口調を弾ませてめちゃくちゃ楽しそうだ。
まあいいか。俺も色々ヤッてみたくてここに来たんだし。
「できる?」
相沢に聞けば、虚な目をしながらも頷いていた。
ジョンに貫かれながら、相沢は四つ這いになって俺のを口に含んでいる。ジョンが動く度に口から零れ落ちそうになっていたけど、慣れてきたのか律動に合わせて頭を前後に振っている。
正直言って思ったほど気持ちよくはないけど、エロいコトしてるって感じがして勃ってきた。
ジョンがイッた後、ベッドに伏せる相沢の後ろに俺のを当てがいナカに入って行った。掘られた後なのにキツい。すぐに気持ちよくなってきた。
でも、俺の尻の割れ目にジョンの指が伝って、ギョッとして首だけで振り返った。
「続けてて」
ジョンはニコニコと笑いながらローションを塗った指をゆっくり挿れてくる。
「邪魔」
手で払うが無視してナカを触ってきやがった。慣れた手つきでイイトコばっか触ってくるのが腹立つ。
腰を前進させれば相沢の媚肉にペニスを擦られ、後退させればジョンに前立腺を押し潰された。もうイキそうだけど、ジョンにケツでイかされるのはムカつくから腹に力を入れて堪えた。
好き勝手に弄って指を抜いたかと思えば乳首を触ってくるし。お前だけやりたい放題じゃねえかクソが。いつものことだけど。
挙げ句の果てにはジョンのを俺のナカに挿れようとしてくる。まだ相沢と繋がってるっていうのに。ジョンが腰を進めるも、体勢が悪いのか先の方しか入ってこないしヤツが動いてもすぐ抜けてしまう。
「意外と難しいな」
ジョンは残念そうに、だけどヘラヘラしながら俺から離れる。
「じゃ俺も相沢くんにしてもらおうかな」
ジョンは喘ぎ続ける相沢の顔を上げて、ゴムを外したヤツのを口に含ませる。
「アハっやべえすごいエロい」
相沢の頭を撫でながら
「ハジメので慣れた?」
と俺にも目配せしてくる。
ジョンの顔を見たくなかったから相沢の背中だけ見て腰を動かす。相沢の薄い背中に肩甲骨が浮かび上がり細い腰がしなる。苦しそうに息をしているが、どこか恍惚とした喘ぎがたまに耳を掠めて昂りを覚えた。
俺がイってもジョンが達することはなかったけど、
「挿れていい?」
と俺に聞いていた。
「じゃそこに寝て」
ジョンが仰向けになると俺はヤツの上に跨った。
ローションを指に纏わせて、ジョンの後孔に触れる。ヤツは目を見開いた。
「たまには挿れられる側になってみたら?」
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