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第1話

「っ、い゛…!」 突然感じた痛みに飛び起きるが、自分の上に何かがのし掛かっている重みで体を動かすことができなかった 唯一動かせた頭で振り向くと、そこにはよく知った男の姿があった 「痛い?ローション使ったんだけど」 痛みの原因であり、我が物顔で俺のアナルに自分のペニスを突き刺していたその人物は、俺の幼馴染の(わたる)だった 渉と体を重ねるようになったのは、中学2年に進級してすぐのこと 昔から自己中でオレ様な性格の渉であるが、高身長で顔が良くスポーツも万能なため常にモテていた それをいい事に渉は中学生の頃から、年上も年下も取っ替え引っ替えの毎日を送っていた そんなある日、事件が起きた 渉の子を妊娠したと1人の女が駆け込んできたのだ 女は渉との繋がりを深めたいがためにゴムに穴を開けたようだった 中学生だった渉1人で解決はできず、渉の親と相手の親を含めた6人での話し合いの結果堕ろすことになったが、渉は親にこっ酷く叱られ女の貪欲さにドン引いていた 事件後女への苦手意識を持った渉の女遊びは鳴りを潜めたが、以前のようにセックスできないため性欲は溜まる一方 爆発した渉が手を出したのが幼馴染の俺だった 当時同じく中学生だった俺は、まだ成長期を迎えておらず小柄だった上にロシア人の母に似た顔をしていたため女に間違われることも多かった 女顔とは言え男の幼馴染に手を出した渉は、よほど飢えていたのだろう 俺と渉の家は隣同士で、部屋も窓から行き来できる距離にある 渉は夜中、窓から侵入して寝ている俺を犯したのだ 今のように 「っ、使ったって、掛けただけだろうが、」 痛みに呻く俺のことなど気にせず、欲を発散させようと腰を動かし始める渉 自身の性欲が発散されればどうでもいい渉のセックスは余りにも自分勝手だ ローションを尻にぶち撒け、挿入し、欲を放つ ただそれだけ コンドームすら着けてくれない 当然慣らされないで突っ込まれるそこは痛むし、昔はしょっちゅう切れていた 今はこの行為に体が慣れたのか切れることは減ったが、痛みと苦しさに慣れることはない 渉にとって俺はオナホ同然なのだ 「はー、スッキリした」 3度俺の中に欲を吐き出した渉は満足そうに笑い、衣服を整える 俺はアナルから流れ出る渉の精液に顔を顰めるが、体を動かす力も無くベッドに突っ伏していた 「腹減ってきた。サーシャも食う?」 「…食えると思うか」 「はは、無理」 突っ伏す俺の隣で何処から持ってきたのか菓子パンを貪る渉にため息を吐く どうして俺は、こんな男を好きなのだろうか 渉との関係をダラダラと3年間も続けているのは俺が渉を拒めないからだ 渉のことを長年、それこそ産まれてからずっと好きだった俺としては体だけとは言え渉に求められ抱かれることをどうしようもなく喜んでしまうのだ

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