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12.
「あ、あのぉ~」
「「「なんだ?」」」
おお、3人同時にハマったぞ。流石家族。
「すみません、私が誘ったのはシンデレラだけなんですが?」
確かに、そうだよな?
「シンデレラは俺等のなんだよ」
え?何英治、ソレ決まってんの?
「俺等が一緒に行って何か悪いのか?」
ちょっ、孝治、悪いに決まってんだろ?
「コレは我が家の所有物だ。お前はソレを横取りするんだぞ。俺達が妥協して共用で我慢してやるって言ってやってんだ、何か文句あるか?」
はい?すみません快治さん、意味分かりません。
[共用]って何?
「あ、あの、コレどういう事?会話の意味理解出来てないんですが?」
全く理解不能な俺。
恐る恐る尋ねてみた。
「んあ?分かんねぇのかよ。ほんっとお前は馬鹿だな」
なんかムカつく。
「つまり此処に居る皆がお前の主人だって事だ。あっ、運転手とコレは違うけどな」
因みにコレとは魔法使い。
[主人]?
ん?
ちょっと待て。
つまり俺、4人の嫁になるって事かぁ!?
ちょっ、マジ有り得ないって。
「勿論初夜は俺決定だから」
オイ孝治、[初夜]って何だ?
「あ~、俺初物苦手だから良いぜ」
[初物]って何なんだ?快治。
「え~?なら明日は俺な?」
何予約してんだよ英治。
「ぇっ、あの、その、ぇえ!?」
なんか王子激しく動揺してるしさ、う~ん。
この人達と一緒で、俺幸せになれるのかなぁ?
マジ不安。
その後、史上最悪な3人のせいで
「すみません。もう少し節約して貰えませんか?」
王子は金銭的悩みを抱え
『新しい会社設立して、財政立て直ししなきゃな』
1人途方に暮れる羽目になった。
めでたし、めでたし。
じゃねぇよ、何迷惑かけ捲ってんだよ?あの3人は。
ったく、マジストレス溜まんなぁ。
以前と比べ裕福にはなったが、余り幸せとは言えない環境に
『たまには1人になりたいな』
溜め息を漏らす俺だった。
因みに結婚式の前夜漸く俺の性別に気付いた王子。
それでも好きだと言って俺にキスをしてくれた。
おとぎ話だと二人は結婚して幸せに暮らしましたで終わるんだけど、まさかの重婚。
少しでも見目麗しい人間を見付けるとお触りする上に我が儘し放題の英治に、贅沢三昧で働かない快治に、すぐ俺に手を出す孝治。
甘々な新婚生活に突入する筈だった王子は何故か金銭面の遣り繰りの為に忙しなく働く羽目になり、俺は
「お前等も少しは働けよ」
ダメダメ過ぎる義理の家族兼夫に頭を抱えた。
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