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騎士団長✕養い子.2

 石化が広がったわけでもないのに、魅入られて動けない。  ロキは私の目を見つめながら、禁欲的な侍従の制服を床に落としていく。淡い灯りに異国の少年の裸体が浮き上がる。作り物めいて均整が取れ、獣のように靭やかだ。  髪と同色の薄い下生えから、慎ましやかな陰茎がゆらゆらと勃ち上がっている。思いのほか桃色のそれに、息を呑む。  先程まで私を優しく労ってくれた養い子の手が、荒々しく掛布と夜着を捲る。ゴツゴツと節くれだった剛直が勢いよくそそり勃つ。 「や、駄目だ、ロ……」  声が掠れる。だが、ロキは軟膏を私のあらぬところに容赦なく垂らす。冷たさが獣慾を煽る。  壮健な脚元の側から、私の上をよじ登ってくる。体重がのしかかる。いつの間に成長したのか。私は微動だにできない。 「僕、やっと成人しました……アア様、お願い……」  テラテラと濡れる雄の性器を、後ろの蕾に当てる。何とかして挿れようと、細い腰を動かすことに一生懸命だ。入口が切っ先をぬちぬちと刺激する。  限界だった。 「もういい」  動く右腕で、ロキの腰を掻き抱く。肩口で緑青色と金色の髪が混じる。そのまま、右手の指を、ロキの後孔にぷつりと挿した。 「や、ッ……、なに、……あっ!?」  全力で邪神を倒した水系魔術が、今は柔らかくロキを犯す。硬い蕾を拓いていく。 「ッ、アッ、だめ、や、そこ、だめ……ッ!」  弱い部分を執拗に刺激すると、厚い胸板をトントンと叩いてくる。イヤイヤするように顔を埋める。きちんと右半身を選ぶ分別が、可愛らしい。 「はぁ、ッ、――あっ、あ……ッ! ぁ、は、っ、そこ、ァア、ン……ッ!?」  指を引き抜く。片腕で肢体を持ち上げ、右手の代わりに滾ったモノを当てる。ロキは自らゆっくり腰を落としていく。 「……っふ、ぅ――あっ! あ、ぁ……っ!!」  左半身が軋む。痛い。体温が上がる。汗が夜着を濡らし、髪が額に貼り付く。それでも、幸せだ。  まだ半分のところで、我慢し切れずロキは白濁を放つ。石の肌と艷やかな肌を、若い精が彩る。いやらしい匂いに釣られ、私も幼い胎内へと吐精した。 「はぁ、ハァ、はっ……ロキ、もっと、もっと…っ!」 「ぁ、あっ…、やっ、また…っ!」  お互いにお互いを止められない。痛みと快楽で二人意識を飛ばすまで、私たちは繰り返し愛を交わし合う。 「あっ! ふあぁぁっ?! そんな、深くっ! あっ、あ、アア様っ! ああっ! アア様、あっ! う、嬉しいっ! 僕は、もうっ! 限界ですっ! あぁっ、アア様! いやぁっ、またっ、あっ、イクぅっ!」  目が覚める。腹の上で健やかに眠る養い子を起こさぬように、その明るい色合いの髪を梳く。そっと左の手で。  ロキを貪ってしまった。何度も何度も。いけないとわかっていながら、途切れることなく。 「アア、様、おはよ……」  花開くように笑い声を立てる。 「腕が! 石化が!」  喜び勇んで起き上がろうとし、腰が砕けて私の胸に落ちる。もう痛くはない。両方の腕でキツく抱きしめる。 「でも、まだこんなに腕が赤い」  腕の中でしょんぼりしながら、私の肌をゆっくりと擦る。 「僕の愛、足りなかったのかな」  堪らず私から朱唇に口づける。 「左腕に残ったこの跡は、ロキを恋う、大切に想う証だよ」  昨晩小さな体であんなに大胆に振舞ったのに、今、鮮やかな朝日の下のキスに恥じらっている。初々しい姿に愛おしさが募る。  養父と養い子として、主と侍従として……そして何より生涯の恋人として、常に側にロキを置こうと心に誓う。 「ロキは赤みが気になるのか。ならば、まだ治さねばならないな」  私は献身的な養い子の腰を、再び引き寄せた。 「はぁんっ! も、もう、お許し、くださいっ! アア様っ!」 【終】

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