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第2話 リョウsideたっくんは可愛い
普通なのに、何だか目が惹きつけられた。
たっくんに会った最初の印象はそれだ。
カフェのバイトの同僚として俺の人生に登場したたっくんは、中肉中背の平凡といえば平凡な大学生だったはずだ。
都内のお洒落な街のカフェのバイトは、皆俺のようにそこそこ見た目がいい。
雰囲気イケメンじゃないと採用されないというのが、暗黙の了解だったりする。
だから一見、平凡代表のようなたっくんが採用された事に意外な感じがしたんだ。
でもそれも最初だけで、たっくんが動くと何というか残像が残るというのか…。
どう表現したらいいか分からないけれど、普通じゃない。
所作の美しさが滲み出るというのか…。
平凡だと思っていた顔も、その場が明るくなる様な邪気のない笑顔と、くるくると動く表情に魅せられた。
男なのに随分可愛く感じて俺は採用された理由を実感したんだ。
しかもたっくんは凄く人懐っこい。
仕草が美しく、下手すると色っぽささえ感じるのに中身がワンコなので、あっという間にスタッフみんなのペット?になった。
俺も最初は様子見だったが、毎回バイト中はたっくんを目で追ってしまって、あっという間に可愛いワンコの虜になった。
会う度に可愛くて、抱きしめたくて。…キスしたい。
俺は高校時代は女の子と当たり前のように付き合ってたけれど、卒業間近に男に告られてなんとなく流れで関係を持った。
告られた時も別段嫌悪感は無かったし、相手に頼まれて興味本位で関係したが、反応しなくて困る問題も無かった。
男は男でエロい部分があるなと開眼したんだ。
それ以上に、女の子は好きだけど俺のモノが人より大きいこともあって、時には痛がられる。
そうなるとこっちも遠慮気味になって楽しめない事もあった。
その点男はその心配が無いので、モテる事もあり最近は男とばかり関係してる気がする。
だからたっくんを気に入った時も、やっぱりそんな目で見てしまった。
たっくんの色っぽい残像が俺の中心をモロに刺激して、バイト中は修行僧の心持ちで臨む様だった。
そうしなければ俺は涎を垂らしてたっくんをトイレに連れ込んでしまっただろう。
あー最低な俺。発想が高校生だ。
でもそれくらい、俺はたっくんに欲情していた。
たっくんは俺のそんな感情を知ってか知らずか、懐いてきた。
俺が繰り出す腕を撫でるとか、肩を抱くとかのちょっとしたスキンシップにも全く警戒してなくて、全幅の信頼を寄せるものだから僕はちょっと後ろめたく感じるほどだった。
でもたっくんのサラサラした長めのマッシュヘアや、黒目がちの大きめの一重の目の下の小さな黒子とか、薄めの唇の小さめの口元とか、少し高めのハスキー声とか…。
俺は毎回たっくんの愛らしさを見つけてドキドキしていた。
しかしどうして最初にたっくんを平凡なんて思ったのか今となっては不思議だ。
俺のたっくんへの感情に気付いてるスタッフは少しだけ居て、そいつらは協力してくれていた。
でもたっくんを気に入っているスタッフの中には俺のように邪な思いを抱いてる奴も居た。
俺は負ける気がしなかったけどね。
ただ、たっくんが女子からモーションをかけられてるのを見た時は酷い焦りを感じた。
たっくんは俺のことは好きだろうけど友達としてだ。でも女子は性的に好きだろう。
今なら女子にたっくんを取られるのは明らかだった。
たっくんに彼女が出来る前に俺のものにしなければ。そう思って俺はたっくんを酔わせて誘惑する事にした。
汚いやり方だろうが、ノンケのたっくんを俺のものにするには少々力技が必要だ。
何も知らない子犬のたっくんを可愛がってやれるのは俺しかいないだろ?
綺麗なバー、綺麗なカクテルに無邪気にはしゃいだたっくんは、あっという間に俺の手の中に落ちてきた。
俺の1人暮らしのマンションに連れ込んで、酔っ払ってふにゃふにゃのたっくんは無防備で凄い可愛かった。
とはいえ、俺はレイプするつもりはなかった。
無理矢理じゃ、たっくんは直ぐに俺の手の中から逃げていってしまうだろう。
俺は鋼の精神力で、たっくんを裸にして綺麗にした。
想像した通りたっくんの裸は綺麗だった。身体に薄らとついた筋肉、人より白めのきめ細かい肌質、女でもなく、男でもない、なんとも言えない色気のある身体だった。
俺は何気ない風でたっくんの感じそうな場所を柔らかく刺激した。たっくんはもじもじと身体を熱くさせていった。
たっくんのほとんど使って居なさそうな綺麗な昂りは既に立ち上がっていた。
俺は自分のものが臍まで猛々しく反り上がってる事を意識しながら、たっくんの背後からゆっくり愛撫した。
たっくんは俺の甘言に丸め込まれて、快楽の誘惑に落ちた。
胸も感じやすいたっくんは、直ぐにでも逝きそうになっていた。
我に返られても困ると思った俺は、今までの経験を全力で発揮してたっくんをひたすら快楽に落として行った。
甘い口づけでとろけるたっくんが自分からいかせてくれと俺に懇願した時は、扇情的過ぎて俺の昂りがビクついて危なかった。
ベッドで喘ぐたっくんをねぶって可愛がりながら、俺はゆっくりたっくんの可愛い蕾をほぐしていった。
たっくんに只々感じて欲しくて、俺が只々たっくんを可愛がりたくて、夢中だった。
焦れていきたがってるたっくんに俺は囁いた。たっくんを確実に手に入れるために俺は悪魔にでもなれるんだ。
どうしてあんな言葉が出てきたのか、俺はたっくんに囁きながら自分の欲望の深さに慄いた。
「…擦って。…死なせて。」
たっくんの切羽詰まった甘い声が耳に届いた時、俺は震えた。たっくんが俺の手の中に落ちてきた喜びと、自分がこの可愛い生き物に確実に囚われてしまった甘い恐怖で。
自分の中にある全力の制御心を総動員して、たっくんを苦しませないように自分だけを苦しめて、俺はようやくたっくんとひとつになれた。
それからは苦しみなのか、喜びなのか、湧き上がる快感と気持ち良さで俺は何度も絶頂を掠めた。
悶え喘ぐたっくんは快感で背中を震わせて、じっとりと濡れた汗は甘く感じた。
たっくんの中がうねるように動き出して、切羽詰まった嬌声をあげ始めると、俺も我慢の限界だった。
前に手を伸ばして猛り切った愛しいソレを愛撫して堪えられずに攻め上げると、大きく叫んでたっくんは逝った。
俺も高まりきった昂りを搾り取るようにキツく締め付けるたっくんの中に、何度も押し付けて白濁を吐き出した。
感じたことのない満ち足りた気持ちの中で、たっくんを抱きしめながら俺は自然と浮かぶ笑みを感じながら言ったんだ。
たっくんは俺のものだって。
汗ばんだ赤い顔に気怠さを滲ませてぼんやりとしていたたっくんは、俺を見上げた。
その目にはどこか諦めにも似た共感を感じて俺は優しくたっくんに口づけた。
敬愛と情愛と、感謝と欲望をのせて。
俺たちは始まったばかりだけど、俺は確信してたんだ。
この気持ちは間違ってないって。たっくん、好きだよ。
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