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第13話 待ち合わせデート

待ち合わせ場所行くと、リョウはもう先に来て待っていた。壁に寄り掛かって柔らかな茶色の髪をお洒落ツーブロにしてるリョウは、遠目でも随分人目を引いている。白いデザインTシャツと黒いパンツのシンプルな装いは、着てる人によってこんなにも差がつくって他人に思い知らせるイケメンだ。…僕の彼氏かっこよすぎて、遠くで見てるだけなのにドキドキしちゃうなぁ。 僕がそんな事を考えながらリョウに視線を送っていたせいか、急に顔を上げてこっちを見たリョウと目が合ってしまった。リョウは僕を見ると嬉しいがいっぱいの笑顔を向けるから、僕は思わず踵を返して立ち去りたくなってしまった。 は、恥ずかしい。リョウに会えて嬉しいけど、急にアレやこれやを思い出しちゃって、気恥ずかしさの方が勝ってしまった。 リョウは立ち止まって動かない僕に気づくと、ニコニコしながら僕の側にやって来て肩に腕を回した。うっ、これって男同士でも普通にやるよね…?僕は自分が恋愛初心者、まして男同士では未知数すぎて、自分では何も判断出来なかった。 「ふふふ、たっくんおはよ。いや、こんにちは?あー、生たっくんだ。相変わらず可愛いにも程があるね。」 リョウは耳元で僕だけに囁くと、僕はますます身体が熱くなってしまった。 「…リョウ、もっと手加減してくれないと、僕帰る…。」 僕はきっといっぱいいっぱいで、何なら涙目になって、リョウを睨んだ。リョウはうぐっと片手で顔を押さえると、黙り込んでそっと肩から手を外した。 「ごめん…。はぁ。嬉しくてテンションマックス過ぎて、俺もヤバいわ。」 そうぶつぶつ言うと、優しく微笑んで一緒に行こうと話していた古着屋さんに連れて行ってくれた。結局僕はリョウの着せ替え人形になって、あれこれ着たり脱いだりして、リョウの見立てで太鼓判を押された古着を幾つか買えた。 こんなお洒落な街で古着を買う僕が、ちょっと都会に馴染んだ気がしてニマニマしていると、リョウが僕の顔を覗き込んで言った。 「なに?嬉しそう。」 「…うん。僕、自分でファッションとか自信なかったから、リョウに見立ててもらって嬉しいなって思って。早く着たいな、これ。あ、そうだ、今度のバイトの時に着てくから!」 リョウは前を向くと、ちょっと拗ねた様子で言った。 「たっくん、試験とかでしばらくバイト入れてないでしょ。それまで俺に会わなくても平気なんだ?」 僕は自分に会いたくて拗ねてるリョウが可愛くて、思わず馬鹿な事を口走ってしまった。 「えーと、バイト以外でもリョウには会いたい…よ?…僕だってリョウのこと抱きしめたい…。」

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