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第16話 リョウside美味しく食べる、食べるなら?※

俺は大きく息を吐きながら、たっくんの手を引っ張ってベッドに連れて行った。ベッドの側に立って、たっくんに軽くキスした。たっくんはキスが好きだ。 唇をチュ、チュと柔らかく啄んでいると、たっくんは不意に唇を開いてヌルッとした小さ目の舌で俺の唇を舐めた。請われるままに、俺も唇を軽く開くと、たっくんの舌は迷いなく俺の口の中に入ってきた。 俺は口の中で自分の舌を待機させていたが、たっくんの舌は俺の唇の裏側をヌルヌルと撫で続けて、その粘膜の感触を楽しんでいる様だった。俺は我慢できなくなって分厚い舌を突き出すと、悪戯なたっくんの舌を絡めとった。 身体をビクリと震わせながら、なんなら、閉じた瞼もピクピクと震わせて、たっくんは俺の舌を味わい始めた。しばらく俺たちはキスに夢中になっていたけれど、俺はたっくんの言った食べたい発言を思い出して口元でニヤリと笑うと目を開けた。 たっくんも釣られる様に蕩けた目を開けて、俺を見つめた。 「たっくん、俺のこと食べたいんでしょ。…食べていいよ。」 そう言って、俺は両手を広げてたっくんを待った。 たっくんは蕩けた顔のまま俺をベッドへ突き飛ばすと、そのまま四つん這いで伸し掛かってきた。俺は予想外のたっくんの行動に、ちょっと呆然としてしまった。 たっくんはそのまま、唇やチョロチョロ動く可愛い舌先で首筋からゆっくり胸、腹、下腹へとジリジリと愛撫していった。俺はくすぐったいやら、時々気持ちいいやらで、もどかしさとたっくんのサラサラした髪が肌に触れる感触とかで、何とも言えない気分になった。 俺が吐息をもらすと、たっくんは切長の目を蕩けさせた何とも色っぽい顔で俺を見上げた。そして何処で覚えたのか、俺と目を合わせたままゆっくりと下腹に反り返った昂りの先端を赤い舌で舐め始めた。 いつも可愛いたっくんに俺の猛々しい、いっそ凶々しいそれを咥えさせるその倒錯的な絵面に、俺はもう弾けそうだった。 後から考えれば、この時にたっくんの俺を翻弄する小悪魔的な才能の片鱗が感じられたのだけれど、当時の俺にはそんな事に気づく余裕もなかった。 たっくんは片手で剛直を撫でしごきながら、一生懸命少し苦し気に口いっぱいに、俺の先端をクチュクチュと出し入れしていた。舌先で裏筋を擦られて、下半身にぎゅっと力が入った。俺はじわじわと追い立てられて腰が揺れるのが止められなくなって、ついにはたっくんの口に押し込む勢いで射精してしまった。 俺はたっくんにティッシュを渡して、口いっぱいの白濁を吐き出させた。たっくんは赤らんだ顔でうっそりと微笑むと俺に言った。 「リョウの精子、何だか美味しい気がする…。」

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