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第20話 リョウsideピンチ到来

「わー!久しぶりじゃん⁉︎リョウ!最近ビショップにも来ないから、どうしてるのかって皆んなで噂してたんだよ?元気だった?この大学に来るなんて、何か用があったわけ?」 そう言いながらケンジは俺のテーブルに座っている、たっくんとたっくんの友人たちを品定めする様に見た。俺は面倒な奴が来たと、気まずい思いでたっくんを見た。たっくんは何もわかってない様子で、俺は内心ホッとしながら、この場を何とか切り抜けようと頭をフル回転させていた。 ケンジはニヤリとすると、とんでもない事を言い始めた。 「まぁいいや。ねえ、明日の夜空いてるから会おうよ。またいつものように楽しいことしよー。」 俺は顔を強張らせて言った。 「いや、俺遊びはやめたんだ。だからビショップにももう行かないし、ケンジも他の奴当たってくれ。」 ケンジは俺の真剣な様子とたっくんと繋いだ手をチラッと見ると、媚びるような笑顔を引き攣らせて言った。 「え?…やめたんだ。ふーん、隣の子?リョウも趣味が変わったみたいだね。でもさ、前もそんな事言ってなかった?また直ぐに遊び始めるんじゃないの?ま、いいけどね。」 ケンジはそう言って、俺以外の三人を睨みつけると鼻を鳴らして立ち去った。 俺は気まずい思いでいっぱいだった。たっくんに会う前に、馬鹿みたいに軽い気持ちで遊んでいた相手の一人に当て擦られて、振り返るのが怖い気持ちでいっぱいだった。たっくんが今の会話を聞いてどう思ったのか、俺のこと呆れたんじゃないかとか、嫌われたんじゃないかって不安な気持ちで振り向いた。 隣に座っていたたっくんと手を繋いでいた俺は、手が汗ばんでいるのを感じた。やばい、バレる。たっくんは俺を真っ直ぐ見つめて言った。 「…今の知ってる人?」 俺は繋いだ手を振り払われないようにグッと握り直して言った。 「ああ。前に一緒に遊んだ事がある。この大学だったとは知らなかったけど。」 俺の前に座ってた、たっくんの友達のよく喋る茂紀が答えた。 「俺知ってるぜ。あいつ経済のやつだ。体育の選択授業で一緒だったんだ。あいついつも一緒にいる奴が違うんだぜ。綺麗な顔してるから、モテるって聞いたことある。あーその、男にも。」 ご丁寧にもたっくんにケンジの余計な情報を吹き込んだ茂紀と、隣で眉をひそめてる陸斗は俺たちが付き合っているのを知っているらしい。今日だって、たっくんを大学まで迎えに来たら、たまたま三人でガラス張りのカフェテラスに座ってるのが見えて、合流させてもらったんだ。たっくんは俺を黒めがちな切長の目で見上げて、少し掠れた声で言った。 「…リョウって、誰とでも、その…付き合うの?」

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