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第二十一章・6

「まず遠田から、私がキャンドルを買います。その後、三村さんに引き継いでいただきたい」 「なるほど、考えましたね」  半グレの営業する店なら、いつまた無法者が目をつけるか解らない。  他に大会社を経営する堅気の三村なら、手も出しにくいというわけだ。 「私がオーナーになるとすれば、営業内容も少々変わりますが」 「例えば?」 「純粋な、クラブにします。性的なサービスは、スタッフにはさせません」  三村の眼差しは、真剣だ。 「詩央くんと付き合って解ったんですが、彼がお客様とはいえ他の人間と寝ている、というのは酷ですよ」 「そうですね。恋人を持つスタッフもいますから、三村さんの気持ちは解ります」  彼も変わったな、と真はうなずいていた。  ほんのこの前までは、媚薬まで使って他人の恋人を奪おうとするような男だったのに。  その三村に呼ばれて、真は我に返った。 「北條さんは、その後どうするんです? 何か事業は?」 「私ですか? 私は……」  その関係で、この後に会う人がいる、と真は笑顔だ。 「なるほど。うまく運ぶことを、願ってますよ」 「ありがとうございます」  三村と握手をし、真は席を立った。

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