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《番外編》葵生川という男2

一人、目立つ生徒がいた。 髪はツンツンに立て、銀色に鈍く光り、制服はいつも着崩す様に気怠く着て、体格のフォルムに恵まれた、エネルギーに満ちた生徒がいた。 人を脅かす気満々のエネルギーに満ちた生徒だ。 葵生川はその彼と一回#棘__おど__#ろにもつれあったことがあった。 非常に遊び好きな表情を滲ませており、きっと誘えば男が誘っても乗るだろう予感はどこかにあった。 見た目からして、プライドが高く、挿入れられるのはきっと嫌がるだろう性格に見えていたが 葵生川の予想は外れた。 気まぐれに保健室の#白__あき__#らかな空間へとサボりに来たらしい宍戸晴樹が、ベッドの上壁に背もたれて座る形で、目を閉じて寝ている。 タヌキ寝入りの隙を縫って股座に顔を埋め、いつもの様に期待を込めながら雄を漁ると、予想通りの長く、色の使い込んだ立派なものが、飛び出す様に出てきた。 まだ#生鉄__なまがね__#状のそれを、たっぷり唾液で濡らし、接吻していくと忽ちにそれは反り返り、臍の位置を越して伸長した。 大きくカーブして反った刃の剥き身は見惚れる程で、口の中全体を使っても飲みきれない。 舐めている内に、寝ている筈の宍戸の口がフッと歪なり笑った。 こいつ、タヌキ寝入りか、やはり。 私は唾液を一掬い指先に落とし、宍戸の後孔に添わせて沈めさせてみた。 抵抗され殴られるかもしれないが、彼の余裕の無くなる表情を今すぐにでも拝みたい。 指をのめり込ませて驚いた。 驚くほど柔らかく指が沈み込んでいく孔は、間違いなく前だけでなくこっちも使い込んでいる。 座った位置が邪魔し陰りによってよく見え難かったが、こいつは後ろも好きなのか。意外性があった。 私がこちらを教え込んであげたかったのにと少々残念ではある。   口先の遊戯と共に、 ギチギチグチッと指を大きく挿入れ、動かし、敏感な部分を探り当てながら狭道を擦ってみると 「………ッ!ァッ」 良い反応が返る。 「足を開いておくれね……宍戸君……。やらしい姿が見れないから……」 膝を立てる形で尻をついて座っていた宍戸の両足を開かせ、制服のボトムを完全に脱がす。 ぬめる下を、睾丸を吸い上げつつ、根本から先端まで舌を回すように舐め上げる。 握るこれがどんどんあったまって発熱し、どうしようもなくなってきた。 顔を観察したくて、一旦口から雄を外し、指先だけでの遊戯と、後孔の責めに移る。 ギチギチクチュグチュッと より奥深く貪欲に指は飲み込まれねめって動く。 汗が伝いながら快苦に表情を怺える宍戸の息遣いは、アナルに指を詰めこまれて、動かされている内にどんどん荒くなり、段々声も拡がってきた。 「ッッ……!!アァアァッ!!……イイ………!!」 「私の指が宍戸君を犯していくよ」 指の届く範囲まで送り込んでやる。 「ァァあァアッ!」 ズルゥッと引き抜いて思い切り送る。 「ッ…アアァァアあッ!!」 一際良い声で鳴くと、宍戸は自分から足を広げて腰を動かし、後ろを向いて這うと、足の間の下からこっちを見上げて誘った。 「なぁ……早く俺の中にブチ入れてみてよ、せ・ん・せ・い……」 そう言って悪戯っぽく笑いそこに指を添えて拡げる。 その目は感じていると言うのに、淫を堪える細まりなく、眼光光り俺を真正面から見据える目付きで捉えている。 ただならぬ何かをこの生徒から感じた。 気配にあてられる様に体がすいと引き寄せられ、私は自分の雄を手で添え示す場所にあてた。 皺が開かれ飲まれていく。 「ウぉ………!!ァぁぁァア゛ア゛ッ!!……いいぞ………!!いいぞ葵生川のチンポ………!」 一気に最奥まで到達した。 宍戸のデェプスをグリグリと擦る。 宍戸が私の動きに合わせて自ら腰を擦り付ける。慣れたもんだ。 宍戸の中に入っては下から抜かれる。 私の肉色のシンボルとそちらを咥えた彼の秘穴の様子はとても淫らだ。 「これが葵生川の雄か……!!あァッ!あァッ!長くてッ……かなり大きいじゃないか………っ!気に入ったっぜっ!!ゥ゛あウッ!あッあッッ!」 背後から奥を突き回すと、流石に濡れが帯びた堪らない声になる。 「宍戸くんはっ……!お尻の孔だけでイける子なのかなっ?ダメだったら先生が前も弄ってあげるが……どうだ?」 宍戸が上半身を反り上げながら腰から下を動かし尻を振りながら答える。 「余計なこと聞いてないで……ッ……動かせッ葵生川ぁ……!もっとだ……!もっと打ちつけろ……ッ……俺が壊れるぐらいに強く!強く!」 お望み通りこれ以上無いくらいに乱暴に抉ってあげた。 「!!グあッ……」 苦悶にも似た声がする。宍戸の鞘無い雄の刀身も行き場なくそそり立っていた。 「まさか……君がこんなに……雄を熱心に求める子だったとはね…………」 意外や意外だ。こんなに浅ましい雌の様に、熱心に雄を自分から渇望して止まない姿なんて、日頃の生徒姿の彼からどうやれば想像できただろうか。 てっきり、自分がやるならともかく、雄を与え様とすれば、嫌悪の目で睨み、唾を吐き捨て、殴りかかってくる程度かと見越していたのに。 「そうだ…………!俺の孔に与えろ…………!雄を………! 雄を俺に差し挿入て貫き通せ………!雄で俺を掻き回せェ……!グッ……ぁアッ!ああアッ!!イイぃッ!!」 ………? 彼は、今、私の頭の中を読んでないか? ……偶然か? 疑問が頭に浮かんだ瞬間、宍戸の口元がニッと笑い、彼の腰が私の雄を強く締め上げ、掴んで離さないまま、激しく尻を揺さぶりだした。 力点が私から彼へと移る。 持っていかれる……!と堪えるが 彼はそのまま体を前後し、臀部の強靭な筋肉で私の雄を思い切り締めつける。 「俺に雄を与えろ!ァッァあ!イいっ!イぃぃ……!」 「いく、だめだ、それじゃいく、宍戸くん」 「ハッ!!雄の種をくれぇッ!……種をっ……!」 宍戸の様な強そうな外見の男が雄の種をくれえなんてねだると興奮してしまう。 勢いよく、トリガーを引かれたその台詞の瞬間、出してしまった。 宍戸の屹立した雄も震え放った。 ……だが、宍戸はそれで終わらず、安らかに思い切り息つく私を、「よっ」と自分の上半身を軽く持ち上げバネのごとく身を起こした彼は、こちらを軽く指先で押して押し倒すと、私の上に跨りのしかかった。 しなだれる私の雄を手に持ち、私の乳首を摘みながら、自分に入っていた雄に舌を這わせる。 「……っ!」 それからはまるでこちらが組み敷かれる様に4回は放出をせがまれた。 行為の終わり。 「噂通りに、あんた相当好きなんだな、男が。試したら話通ーりの、気持ちの良い思いを味わえたぜ」 「何ならいつでも保健室に来ていい。私は待っているぞ宍戸君………」 熱の籠った眼差しで見つめキスをしようと顔を近づけると自然な様子でかわされ、涼しい表情をして、 保健ベッドから飛び降りる様に降りて、宍戸晴樹は軽やかに去っていった。 「沼間君、沼間君、好きだよ、沼間君」 「ァッー!ァッ!!あ!」 いつからだろうか、彼の汗ばむ水打ったみずみずしい体に自分の欲望を這わせる度に、いつも心臓がトクンと、強い脈音が木のざわめきを揺らいで必ず騒ぐようになったのは。 恐らく彼が何でも受け入れてくれるからだ。私の一片も正当化の救いなどない邪一面の欲望を。 私の邪悪の限りの欲望を、彼が磔にされる聖人と同じ様に、その身を差し出して受け続けてくれるから、私は反対に彼の手掌に魂を握らせ奪われてしまったようだ。 背後に立ち、彼の学生服を脱がしにかかるその瞬間からもう果てない興奮が起きる。 ズリ下ろしたシャツからはほどよく日焼けした肩と肩甲骨が現れ ハリ詰めた肌は丈夫そうに汗が弾け、乳首を揉めば、新たな汗が毛穴から上気の様にむわりと滲む。 捏ねた乳首は芯を持ち、どんどん自己主張していき、瞳の色は淫欲を浮かべ火照ってくる。 彼の臀筋を両手で双つに割って、待ち遠しいそれに挿入り、#道也__かれ__#の粘膜を堪能する。 たったそれだけの、愛おしい行為。 だが永遠には、それは続かない行為。 私達は禁断の関係なのであって、時が来たら彼をちゃんと親御さんの元へ返してあげなきゃならない。 彼は本来男なのだし、彼の肉体にいつまでも雄を入れて嬲ってはいけない。注がれる側からやがては注ぐ側となり、彼の生命の連鎖は未来にも紡がれるんだ。 今でこそ彼を好きに嬲る日々だが、私は愛しい彼の血脈が、途絶えないことを望む。 彼から投げられた「猥褻教師!!糞野郎!!」の罵倒に異論等は特に無いのだが、「お前なんか嫌いだ!!」の最後の罵りには胸の底にチクンと痛みを覚えた。 彼は私が雄を捻じ込ませた時既に初めてじゃないようだったが、そういえばどんな人間とそこまでしたのかなんて聞くことも無かったな。どんな経験済みの肉体であろうと初めて同然の、ウブな彼の性感に対する反応を、あそこまで開拓してやったことに達成感は感ずる。 彼にアブノーマルな性感を次々に教え込んだのは私だ。 たまに行為中のテンションが上がりすぎて雄オーガニズムがどうこうというような、ワケわからない説明を口走っちゃう時があるが、テンションが鎮まると (何であんなワケわかんないこと言っちゃったんだろうな)と振り返る時がある。 ────実は葵生川の異国の血のご先祖は遡れば、ファビアン・ド・アルヌーの家柄に行き着く。 ファビアン自身の直系ではないが、葵生川の異常な強い性欲への渇望の在り方には、ファビアンと彼の血脈にまつわる何かしらの強い因縁が介在しているとのことだ。 どういうことだろうな……。 あれから三日経って、私の心は切ないため息を吐き漏らす。 保健室を訪れる男子生徒達から逆に誘いの言葉を受けても、乗り気になれず、誰にも触れずに断り続けている。 かといって性欲が薄れたわけではなく、気が付いたら欲が硬く張り詰めている。 前触れ無く彼の裸体が頭に浮かび、瞬間的に彼の足の狭間に挿入れたくてたまらなくなる。 足の間と頭の内がじんと鳴る。 これは恋なのだろうか……。愛なのだろうか……。 今迄経験したことの無い自分の状態だった。 彼を想えば、勃起が止まない。 突き入れたいぞ!沼間君! 気付いたらジッパーを下ろし、自分には珍しく自らの指で握りしめて、速弾きを奏で慰めていた。 今すぐ抱き犯したい彼を思い浮かべて、意のまま好きな様に扱う想像を映画の連続ショット風に走らせる。 道也の淫らのショットと別の淫らのショットを交錯させ 快感の頂点を迎える時に 愛してるぞ!愛してるぞ!沼間君! と無意識に叫んでフィニッシュを迎え、それで自らがやはり彼を愛して止まない真実に、どうしようも無く自覚した。 外に精を吐き出してしまったことへの勿体無さも。彼の胎内に注ぎたいのに……。子供が出来る訳じゃ無いのに、俺の精は一滴も残さず彼に注ぎぶつけたい。雄精を彼の中の底に熱くビシャビシャとふりかけたい。これまでの様に。 というわけで、学園退職したという自分なりの精一杯の愛の告白を告げ、彼の両親の元にそのまま乗り込み、こんな許されざる性欲の持ち主が頭を下げ正式に彼の両親から交際の許可を貰い受けてしまったわけだ。 こんな許されざる性欲をまた彼へとぶつけても良いなんて。しかも正式に赦しを貰い。 あんな山奥暮らしじゃ金が貯まる一方だったため、早速その足でマンションを借り、新しい勤務先も決め、彼を呼び寄せ共に暮らし始めた。 それから甘く淫らな日々を送り、休日は日々つがっている。 《番外編》葵生川という男 終

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