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《番外編》深港には運命の恋だった
あああー!!宍戸さまー!!どうか、どうか……!!
宍戸さまー!!僕の……宍戸さまー!!
僕は誰もいない真夜中の校舎の大ホールに佇み、月明かりの元、大きなステンドグラスの窓飾りの下、神妙なる祈りを真剣に捧げ続ける。
宍戸晴樹よ……。
僕が愛する偶像の彼。
初めて彼と対面したのは入学式の日だったか。
正直申し上げると初めは不良どもを束ねる学園の悪しき不穏の種ぐらいにしか……しかしその全身が纏うオーラ……?というのか、威圧には圧倒されたのも事実だ。
それでいて美しい顔立ちと理想的なプロポーションは、自分もこうなりたいなと、喉から手が出るほど憧れる気持ちも湧いてきた。
あの美しい豹の瞳、全身に絡んでいる筋肉の鎧、様になる立ち姿、空気を震わせるよく通る低い声。
どれも他の生徒と一線を隠していた。
自分より学年は一つ上の彼は、部下の様に恭しい不良生徒達を引き連れて歩いていた。
眩く目がくらまされた彼は、金塊の様に、誰の視線をも釘付けにしていた。
入学して数日が経ち、僕は信じられない驚愕の”儀式”を目にしてしまったのだ。
何と…………学園の…………ある一室の…………教室の中で……………
男子達が絡み合い交わり合っているではないか。イヤらしく、蛇の様に。
真ん中では、あの宍戸が……宍戸晴樹が、見慣れぬ男子を自分の腕の中に入れ、キスをし、服をずり上げて愛撫をし、しまいには最後の行為に及ぶ。
呆然とつったって見ていたら、背後から不良が僕の足元を蹴り
「お前も混ざれ」
とニヤニヤ笑った。
僕は女性とも未経験の行いを、初めて見知らぬ男子生徒と経験した。
混ざればあの宍戸ともいつか出来るのかと。
その期待の時は案外早く訪れた。
「深港か……ふぅん、こっちこいよ」
僕は初めて、意中の人間から体を意のままにされる快感というものを知った。
しかしこの思いが大炎の様に狂おしい激情へと変貌を遂げたのはおよそ数ヶ月後の話だった。
宍戸が集会の際に全員の前で他の男子に肉体を任せ、自分の中に受け入れ、腰を揺さぶられ喘ぎ啼いていた。
そっちもアリなの!?と僕は驚嘆したが、勃起の疼きと興奮のカーテンに頭からくるまれ
他の男子に白い汚液を注がれ濡らされた彼の姿を見ると、もう我慢は堪らなく、不良達に痛めつけられても良いのを覚悟で彼に進み、白く濡らされしばし脱力している彼の股の間に、己の裸の硬い欲望を押し込んだのだった。
「……ッお……!!」
宍戸は低い声で小さく呻くと、入られていたばかりのそこはスルスルと柔らかい海の様に、すぐさま飲み込んだ。
腰を動かすと、先に吐き出されたぬるい精が、僕の勃起と淫猥なハーモニーを奏で、耳に触る粘液の音をそこら中に響かせた。
集会にいる全員が僕達のまぐわいに注目しているのが分かる。
僕と宍戸はまぐわっているのだ。
「……………ッお………!……おオぉッ!!………うッ………ァア!」
宍戸の反応が声によって紡ぎ出される度、自分の腰が早く強くなった。
僕は彼を悦ばせている。顔をしかめさせて快楽の衝撃に堪えさせ悦ばせているんだ。
「…………ァッ……!!…………ァッ!!………ァァッ!!………ァア!!!」
喘ぎがどんどん激しく大きくなった。
体の仰け反りも声に伴い、動きが派手になっていく。
もっと喜ばせたいと、宍戸の興奮した勃起に僕は手をやり、擦り回して、更に声を張り上げさせ自分も喜んだ。
「…………!!!ッ………フぐゥ!!…………ァッァ!アァッ!!」
どんどん凶暴になっていきますよ、宍戸……宍戸さま……、あなたの中を食い荒らして、ここには僕が住んでいると、マーキングしていきますよ…………。
一体化してますよ宍戸さま……。
僕とあなたは一つになってますよ……!
僕とあなたは繋がっている……!
一つになりたい!ああ宍戸と一つに!!本当の真実うに一つに!!
僕は彼で彼は僕に!!
彼の平らな双丘にあたる自分の腰の音が段々攻撃性を蓄え、乱れた打楽器を打ち鳴らす。
一際突く度に宍戸は恍惚の息遣いと快感の叫びを交互に出す。
俺の首の後ろに片腕をまわしやりながら、時折感電が走るようにビクンビクン体をのけぞらし震わしている。
たまらない!!愛しい!!愛しい!!
あなたに一生ついていきたい…………。
「ハァッ!!ハァ…ッ!!ハァッ!!ハァ…ッ!!ハァッ!!」
もう楽にしてやりますからね宍戸さま。さあ放ってください。体内の快楽を全部。とても強く打ちますからね。
「ハァ、ハァッ………あッ!………ゥ、ッ!ァオぉーうッ……!!!」
旋回が水音立てて彼の肉をえぐり掻き乱す。
そして腰を引き、衝撃が彼の体に余波を与える程、押し潰しの一突く。
「……ゥ、……ウ!!……ァ、オぉーオッッ……!!!!」
「宍戸さまーッ!!」
僕は叫んで彼の中に勢いよく放った。
彼もこれ以上なく後ろの筋肉に力を込めて締め付け、彼の快楽のヨダレが僕の腹に降りかかる。
ステンドグラスの下に座り両手を重ね神に祈りを捧げる。
彼を……宍戸さまとどうか、どうか、真実結ばれたい。
神よ、どうか、どうか、どうか。
『宍戸……宍戸……はるき……』
見知らぬ声が頭に直接響いた。
『そうか……わかった……』
僕はオカシくなってしまったのか!?
それとも……神か!
『叶えるために助けてやるから、俺をおまえの中に入れてくれ……』
《番外編》深港には運命の恋だった 終
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