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北の山から戻った3人のお話…… 胸

ぴくりと小さく肩を揺らすロッソへ、リンデルは極上の笑顔で囁いた。 「いつもしてもらうばかりだから、今日は俺にも、たっぷりサービスさせてね」 思わぬ台詞に、ロッソは潤んだ黒い瞳を揺らす。 「そ……」 遠慮しようとしたのだろう、ロッソの言葉は、嬌声へと変わる。 両胸の突起を探し当てたリンデルが、それをそっと摘んで捏ねる。 「っっんっ! ぅ……、……んんっ!」 ロッソの黒い瞳に、戸惑いが浮かんでいる。 こんなに、胸は感じるところだっただろうか。 頬を赤く染めて、それでも、こんなはずではないのにという表情の従者に、主人は苦笑を浮かべてその耳元で囁く。 「いいんだよ、いっぱい気持ち良くなって……?」 甘い囁きが、熱い息と共にロッソの耳から入り込む。 それは、じわりと首元を焦がして、頭の奥が熱くなる。 蕩けそうになりながら、ロッソは主人の愛撫を懸命に受け入れた。 「ん……っ、ぅん……」 声を漏らすまいと頑なに閉じた口元を、リンデルが舌先で優しく割る。 「ふ……ぁ……っ、ぁあっ……ぅあ……っ」 「ロッソの声、俺好きだよ」 そっと囁かれて、ロッソの赤い頬がさらに赤くなる。 「そん、な、……こと……っ」 あるわけがないとばかりに、ロッソが顔を逸らす。 けれど、金色の瞳はいつだって、真摯にロッソを見つめていた。 弱い朝日がほんのり差し込んでいた室内は、カーテン越しに溢れる陽射しで明るさを増していて、主人がどんな顔をして自分を見ているのかが、はっきり分かってしまう。 ロッソは、顔を背けても尚、視線を逸らす事ができずにいた。 愛をいっぱいに湛えた金色の瞳は、熱っぽく潤んでいて、それが自身に向けられているという事が、ロッソにはまだどこか信じられない。 「俺が、そんな嘘つくと思ってる……?」 金色の瞳をわずかに細めて、主人が尋ねる。 「……いいえ……」 ロッソはその瞳から逃れられず、ただ正直に答えるしかなかった。 リンデルはふっと口元を綻ばせると、動きを止めていた指先で硬く尖ったロッソの胸の突起を左右同時にキュッと摘んだ。 「ぅあっ!」 ロッソがびくりと背を仰け反らせるように跳ねる。 続けてそれをぐりぐりと主人の指の腹で捻られて、ロッソの背を熱いものが駆け上り、同時に下腹部が疼く。 「ぅ、あ、ぁ……っ、ぁあっ、んっっ」 あまりの快感に、黒い瞳にじわりと涙が滲む。 まだ、下には指一本触れられていないというのに、こんなに感じてしまうなんて。 ロッソは羞恥にたまらず眉を寄せる。 リンデルはそんな従者の狭い胸に舌を這わせた。 「ぁ、は……っ、ぅ……あっ」 ぬるりと温かな感触が、ロッソの突起をなぞる。それだけで震えてしまう小柄な従者の肩を抱き寄せるようにして、主人は舌で撫でていたそれを吸い上げた。 「あっ、ああぁっ!」 びくりと痙攣するその素直な反応が愛しくて、リンデルは何度もそれを吸い、舐め上げては、ほんの少し歯を立てる。 「ひっ、あっ、あああんっ!」 次第に、従者の小柄な体が汗ばみ、息は荒れ、嬌声にも余裕が無くなってくる。 「もしかして、ロッソ、胸だけでイキそう?」 問われて、黒く濡れた瞳が戸惑うように揺れる。 サラサラと揺れる前髪に隠れがちな、細い眉は切なげに寄せられ、繰り返し愛されて赤く染まった唇は、薄く開かれている。 そこから漏れる甘い声に、誘われるようにして、リンデルは唇を重ねた。 「ん、ぅ……んっ、んんっっ!」 口内をゆっくり舌で撫でながら、両手でロッソの胸を絶えず刺激し続ける。 「ん、んっ、んぅ、ぅ、んんんっ」 強い刺激を与えられる度、ロッソの意思とは関係なく、びくりと跳ねる体。 敬愛する主人からの濃厚な口付けに、心も身体も蕩けて、頭の中が快感で埋め尽くされてゆく。 「んんっ、んっ、んんんんんんっっっ」 ゾクゾクと幾度も与えられ続けた甘い快感が、ついに飽和する。 急速に下腹部に全ての熱が集まってゆく感覚と共に、激しい快感。 「あっ、ぅあっ、ぁぁぁあああああああっっっ!!」 耐えきれずに声を上げ、目を見開いて仰け反る従者。 主人はビクビクと痙攣する従者を愛しげに見つめて、優しく問う。 「キスと胸だけで、イっちゃったの……?」 「あ……っ、ぅ……、も、申し訳……っありま、せ……っっんんっ」 感情が昂り過ぎたのか、ハラハラと涙を零しながら、従者は謝罪の言葉を口にする。 「謝るところじゃないよ」 主人は少し悲しげに苦笑を浮かべると、溢れる涙を長い指で拭った。 従者の額にかかる前髪を指先で持ち上げて、その額にそっと口付ける。 愛の込められたその仕草に、従者の心が震える。ぎゅぅと胸が締め付けられるような感覚に、体の内側が付随した。 「っ、ぅ……っ」 びくり、と肩を揺らす小柄な従者がどうにもいじらしくて、リンデルは思わず尋ねた。 「ねえ、聞いてもいいかな?」 ロッソはまだ真っ赤な顔のまま、主人の声に視線で応える。 「ロッソは前の勇者さんの事、好きだったの?」 一瞬瞠目した従者は、そっと目を伏せると、息を整えながら答える。 「私は……誠心誠意、お仕えしている、つもりでした……。……けれど、勇者様は私の事を……」 道具のようにしか……、いや、もしかしたらそれ以下にしか、思っていなかった。と、口にすることはできなかった。 そこまでで途切れた言葉に、震えるロッソの唇を、リンデルはそっと啄み、慰める。 「前の勇者さんとする時は、どんな風にしてたの?」 主人の問いに、従者は戸惑う。何を目的としての質問なのだろうか。 窺い見ても、主人の表情に陰りはなく、ただロッソを少しだけ悲しそうに、けれど優しく包むように真っ直ぐ見つめていた。 「え、ええと……。その、あの方は私の顔が見えたり、声が聞こえる事を嫌っていましたので……、いつも、後ろからでした……」 意図が読みきれない以上、ロッソはとにかく正直に話した。 主人が小さくかぶりを振ると、金色の髪が室内に細く差し込む陽射しに柔らかく揺れて輝く。金色の瞳も、同じように揺れて輝いた。 「それはもったいないね、ロッソはこんなに可愛い顔をして、こんなに可愛い声を聞かせてくれるのにね」 ふわりと微笑むリンデルの、花のような笑顔。 一瞬、何と言われたのか理解が追い付かず、主人の柔らかな微笑みに見惚れる従者の頬を、リンデルの長い指が優しく撫でる。 「ぇ…………?」 じわりと、ロッソの蕩けかけの頭がようやくその言葉を理解する。 「……あ、の……。その……」 恥ずかしさと喜びが入り混じって、どうしたら良いのか分からないままに、狼狽えるロッソの揺れる黒い瞳を、金色の瞳が覗き込む。 「うん……?」 優しげに微笑んだままの主人に、次の言葉を待たれてしまい、ロッソは主人の言葉を否定するわけにもいかず、それを引っ込めようとする。 「い……いえ、何でも、な……、っぁ!」 びくり、とロッソの肩が揺れる。 見れば、主人はロッソのズボンの中へ手を入れて、それを撫でていた。 「ごめんね、脱ぐ前で、服についちゃったかな?」 気遣う言葉とともに、ロッソは下着ごとずるりと下を脱がされる。 「今、綺麗にするからね」 と、告げて、主人は肩口に垂れた金髪を長い指で耳へかけながら、ロッソのそれを手に取ると、顔を寄せる。 慌てたのはロッソだった。 「お、おやめください主人様……っ」 必死で、主人の肩を両手で押し留める。 「どうして? ロッソは俺にしてくれたことあったでしょ?」 不思議そうに見上げられて、ロッソが焦る。 「そっ、それは、私が……」 「ロッソが?」 「主人様にお仕える立場であるから、で……」 「そんなの関係ないよ」 クスッと小さく笑って、リンデルはロッソに押さえられたままの肩を気にする様子もなく、ロッソのそれへ舌を這わせた。 「ぅ、あ……っっ」 ぬるりと厚みのある主人の舌に撫でられて、ロッソは思わず声を漏らす。 温かく柔らかな初めての感触に、ぞくりと背が震えた。 「……っ、……ぅ……」 リンデルは、ロッソの溢した液体を丁寧に舐めとってゆく。 「は、ぁ……、お、やめ、くださ……っっ」 震えながらも、必死で止めようとする従者に、主人が顔を上げて尋ねる。 「ロッソはこういうのは嫌い? 嫌ならやめるよ」 従者は、息を荒げ、頬を真っ赤に染めて、潤んだ瞳で縋るように主人を見つめていた。

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