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第97話 光生side

「わっ、ごめんっ!光生!早く出して!」 俺の口の中でイった涼はすごく焦りながら顔の前に両手を差し出してきた。そんな姿がかわいくて見せつけるように涼が出したものをゴクリと飲んだ。 「っええ!?飲んだの!?」 「うん。」 びっくりしている涼の目の前で空っぽになった口を開ければどんどん顔を赤くして目に涙をためる。 「ぅう…ごめんね…俺がいきなり出しちゃったから……」 下を向いて申し訳なさそうに話す涼はきっと俺が口に出されたことを嫌がっていると勘違いしている。俺は全く気にしていないしむしろ嬉しいのにそんなことを思って落ち込んでいる涼は健気でかわいい。 「光生の口の中に出すつもりじゃなかったんだけど……自分でもびっくりするくらい急にイっちゃって…ほんとにごめんね……嫌だったよね?」 顔を赤くしうるうるした目でそんなことを聞いてくる涼は自分が今どれだけかわいい顔をしているのか全くわかっていない。 「全然嫌じゃないよ。てか俺の口に出すまでするつもりだったし。」 「……なにそれ、、絶対嘘だ。」 「本当だって。涼の初めて奪うって言ったじゃん。」 「それはそうだけど……」 まだ気にしているのか泣きそうな顔をしている涼を向かい合うように俺の膝の上に乗せて抱きしめた。 「俺は涼がイってくれて嬉しかったよ。」 「……ん。」 「ふふっ、それに涼のおいしかったし。」 「っ!!光生の変態!!おいしいわけないじゃん!!」 少しからかえばいつもみたいに恥ずかしそうに怒っている。それが嬉しくてさらにギュッと強く抱きしめた。 「ふふっ、よかった。いつもの涼だ。」 落ち込んでいる顔もかわいくて大好きだけどやっぱりいつもの涼のほうが良い。 すると涼は俺の唇をティッシュで優しく拭いてくれる。 「拭いてくれるの?ありがとう。」 頭をポンポンと撫でれば涼は嬉しそうに微笑むが照れているのかなかなか目を合わせてくれない。 「ねぇ、気持ちよかった?」 俺の方を向いてほしくて話しかければ下唇を噛みながら照れた様子でチラッと俺を見るとすぐに視線をそらしコクリと頷く。 もうこれはわざとやっているのかと思うほどかわいい。 「ふふっ、それはよかった。」 俺が喜べば涼は俺の腕をギュッと掴み嬉しそうな顔をして俺を見上げてくる。きっと自分ではこのかわいさに気づいてもいなければ、そんな涼を見て俺が今ドキドキしていることにも気づいていないのだろう。 「……好き。光生のその優しい顔大好き。」 突然こんなに顔を近づけて大好きなんて言ってくる涼は誘っているのだろうか。いや、この状況で誘われていないと思う人のほうがきっと少ない。 頭を撫でれば涼は俺にもたれかかってくる。これは続きをしても良いと判断した俺は頭を撫でていた手を離しそっと服の中に入れようとした時、涼の声が再び聞こえてきた。 「光生、俺すごい眠くなってきた、、。」 「………は?」 俺にくっついてる涼を離し顔を見れば目はトロンとしていて今にも寝そうだ。 「光生に頭撫でられると眠くなる……」 それはそれですごい嬉しいけど絶対に今は眠くならないでほしい。 再び俺にもたれかかってくる涼に俺のそんな願いは届かなさそうだ。 「ん、俺の大好きな匂いだ……落ち着く。」 こんな時に素直になられると困る。それに格好がよろしくない。俺に抱っこされている状態で下はもちろん履いていなく上は制服のシャツが少し大きいのか涼のものをギリギリ隠してはいるが動くたびにチラチラと見えていて俺は今すぐに押し倒したい衝動を必死に我慢して平然を装う。 「わかったわかった。ほら俺もう帰るから寝ていいよ。」 「やだ、光生も一緒に寝る。」 だめだ。なんで今日に限ってこんなに素直でかわいいんだ。この状況で一緒に寝られるはずがない。俺は甘えた顔をする涼のほっぺたを指でつまんだ。 「だーめ。このままじゃ涼のこと襲っちゃうからまた今度ね。」 つまんでいた指を離し涼の脚を撫でればビクッと体を揺らし顔を赤くしている。 「ほら、早く着替えて寝ないと俺ここにもキスしちゃうよ?」 「…………いいよ。」 冗談で言ったつもりなのに涼は撫でていた俺の手に自分の手を重ねるとギュッと握ってきて今まで我慢していた俺の理性は一気に崩れた。

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