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第233話 光生side

「ねぇ、涼の怒った顔見せて。」 「やだって!もう今日は見せないし光生のことも見ない!」 「じゃあ見ないでいいからキスしよ。目閉じてていいから。」 「だからしないって言ってるじゃん!」 はぁ、かわいすぎる。怒ってるくせにお尻はギュウッと締め付けているところに気づいていないのもいちいちかわいい。 「ふふっ、涼のお尻俺のギュッて締め付けてキスしてるみたい。」 「ちょっっ!!変態っ!!なんでそんな変態なおじさんみたいなこと言えるの!?」 おじさんってそれはさすがに言いすぎじゃない?そこまで変態な発言なんてしていないのに涼はもっと怒ってしまった。 「ねぇ、一緒にお風呂入ろっか。」 頭を撫でて聞いてみても全く俺の方を見てくれない。さすがにこのまま涼を裸でいさせると風邪を引かせてしまうかもしれない。首元に顔を埋めるようにギュッと抱きつけば涼は少しだけ顔を向けてくれる。 「ふふっ、ごめんね。もっとキスしてって言ってくれる涼が俺のこと求めてくれてるみたいですごい嬉しかったの。」 「光生……」 顔を上げれば涼と目が合いやっと俺の方を見てくれた。 「キスしていい?」 顔を両手で包みながら聞けば涼は目をギュッと閉じて頷いてくれる。そっと一瞬だけキスをした瞬間になにもかもが溢れてくる。 「んっ……涼っ……」 軽いキスなんかで足りるはずなく小さな口を無理矢理に開ける。 「ふぁあっ……光生…っんぅ……」 舌を必死に絡ませてくれる涼がどうしてもかわいくていじわるしそうになるのを必死に我慢する。 「っんはぁ……ぁあっ……」 えろい吐息を漏らす涼から唇を離せば寂しそうな顔で見上げてくる。 「……俺が下手だからもしかして嫌になった?」 涼にはもうずっとこのままでいて欲しい。何回もしているのに毎回初めてしているみたいな反応がたまらなく愛おしい。 「んーん、全然なってない。お風呂で続きしよ。涼の体冷たくなってきた。」 体を撫でれば恥ずかしそうに頷く。 「光生優しい、、いつもありがとう、、」 だからその顔で見上げられるといろいろと大変なのに。それからお風呂場に行けば後ろから急にくっついてくるから持っていた着替えを落としそうになる。   「……今日は光生のこと俺が洗ってあげる、、」 「ふふっ、ありがと。嬉しい。」 これもきっと誕生日のお祝いなんだろう。なにか俺にしたくてウズウズしている涼にこんなに幸せをもらっているのに本人は気づいていない。 「入浴剤入れるでしょ?どれがいい?」 「いいの!?わぁー!!なんかいっぱい増えてる!なんで!?」 「涼が泊まりにくるって言ったら母さんが張り切って買ってた。」 「そうなの!?明日お礼言わなくちゃ!」 ニコッと俺を見て笑う涼に心臓が大袈裟なくらいにドクッと動く。 「早く光生のお母さんと莉緒ちゃんに会いたいなぁ〜、、」 そんなかわいい独り言に俺まで嬉しくなる。 「光生!これにする!温泉の素だって!」 手に取り見せてくれる涼に俺はデレデレで入浴剤なんて正直なんでもいい。 「ふふっ、温泉なんて渋いですね、涼さん。」 「あははっ!なにその話し方!」 それからお風呂に入れば大変なことが起きる。俺の後ろに座り頭を洗ってくれる。まだ目の前に座られないだけいいけどさっきから涼の体が当たっていてどうやっても意識してしまう。 「光生さん!力加減はどうですか?」 俺の話し方の真似をしているのか無邪気にはしゃぎながら聞いてくるけどそれどころではない。 「ん、最高。天才。」 それなのにこんなに冷静に返事できる俺のほうが天才なのかもしれない。ここで手を出せばまた怒るかもしれないし変態とももう言われたくないから我慢だ。 「えへへっ、よかった!体も洗ってあげる!」 「………え?」 完全に油断していた俺は目の前に座ってくる涼に思考停止する。

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