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第256話 光生side
「今ごろ遥くんと楽しんでるんだろうな〜。」
帰ってから同じことばかり考えてしまう。電話しようと何度も思ったけど邪魔をするわけにはいかず夢に送ってもらった涼の写真をボーっと眺める。きっと俺のことなんて忘れて遥くんと盛り上がってるに違いない。
「はぁ、まじで涼に触りたい。」
やっぱりあのまま連れて帰るべきだったのだろうか。でもこんなに毎日触っていれば涼に嫌われるし性欲さえもコントロールできないなんて思われてきっと引かれてしまう。
「いつになったら2人きりになれんの。」
いや、なろうと思えばいつだってなれる。ただ2人きりになると俺が止まらなくなるのが問題なんだ。今だって結局我慢なんてできなくてスマホを手に取る。
「……声聞くだけなら許してくれるよね。」
そう自分に言い聞かせながら涼に『後で電話していい?』とメッセージを送る。するとすぐに着信音が鳴った。
「もしもし?光生?」
やっぱりだめだ。声を聞けば今すぐに会いたくなってくる。
「涼もう帰ってたの?」
「うん、、ご飯食べに行っただけだもん、、」
なんだか熱っぽい声に聞こえるのは気のせいだろうか。
「大丈夫?もしかして寝るところだった?」
「え?なんで?まだ19時過ぎだよ!」
「だって涼の声なんかトロンとしてたから。眠たいのかなって思って。」
きっと久しぶりの遥くんとの再会ではしゃぎ疲れたのだろう。
「……眠たくないもん。光生のばか。」
「ふふっ、ごめんごめん。今日は涼のこと怒らせてばっかりだね。」
「そうだよ、、俺すっごい光生に怒ってる!」
はぁ、今すぐに抱きしめたい。そして涼の機嫌をひたすらに取りたい。
「光生……」
今度は何に怒っているのかななんて考えていれば名前を呼ばれる。
「ん?どうした?」
「………やっぱりなんでもない、、」
こういう時の涼はかわいくていつも以上に甘やかしたくなる。
「ふふっ、どうしたの。拗ねちゃったの?」
黙っている涼は本当に何かに拗ねているらしい。
「じゃあ今から散歩でも行く?外、涼しくて気持ちいいかもよ。」
なんて言いながら俺が会いたいだけなんだけど。きっと断られるだろうけど少しだけ期待を込めて聞いてみる。
「……うん……光生に会いたいから行く……」
そんな返事が返ってくるなんて思ってもいなかった。拗ねているからなのか甘えている声にさらに心臓は早くなっていく。
「ん、今から行くから涼は家で待ってて。外暗いから連絡するまで家から出るのだめだからね。」
それから一方的に電話を切り急いで準備をして家を出る。
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