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第1話

 前々から目障りだと思っていた。  僕、スノーの前に立ちふさがる、レイン。  金髪で緑色の瞳をした美形の彼は、僕よりも背が高い。  昔はそれほど差がなかったのに、気がつけば僕は負けてばかり。  同じ伯爵家、というのもあってか、特に僕はライバル視していた。  だが全寮制の学園に入ってからは勉強から剣術まで、勝利するのが大変な状況にまで差が開かれてしまう。  一矢報いてやりたい。  優越感に歪んだレインの笑みが僕の脳裏によぎって、悔しい気持ちになる。  そんな、とある春休みの時に僕は、そのレインの家に双子の妹のセリアが嫁に行くような話を聞いてしまう。  はっきり言って僕の妹のセリアは凄く可愛い。  なので時々、妹は髪が長いので銀色のかつらをかぶって近寄る男を僕は蹴散らしていた。  何故か兄である僕だと分かると、その近寄って来た男は化け物でも見るかのように逃走していたが、やはり僕の実力は知れ渡っているのかと思う。  この世界では男性でも子供のうめる魔法薬の発明により、男同士も時々あるので、セリアにも似ているとよく言われる僕も、そういった対象になりそうな物だが今の所特に何もない。  さてそんな妹が、僕の友人でもあるウォールと一緒に相談してきたのは昨日の事。 「私、レインと結婚する事になってしまったけれど、私……行きたくない」  悲しげに言う妹に、僕はレインにお嫁に行くという話にどうしてか分からないけれど変な苛立ちを感じて、 「だ、だったら僕が代りに行くよ。そして断ってくる」 「……チョロい」 「? セリア、何か言った?」 「いえ、お兄様は私に瓜二つだから、きっと大丈夫ですね。あ、渡された結婚指輪をつけて行ってくださいね、聞かれると困りますから」  微笑んだセリアを見つつ僕は、必ず、あのレインをぎゃふんと言わせてやると思ったのだった。

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