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目覚め①
どうすればいいかわからない。
お前は、お前を、どう思っているんだろうか、俺は。
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あれ?またお兄様がベッドに潜り込んでる。
「ん、ぅ…?…はいる。」
「おはよう、お兄様。」
今日も可愛いね、お兄様。
「おはよ…?」
「お兄様、あんまり可愛すぎると襲いそうだから気を付けてね。」
「……、…それはお断りだ。」
「本当に嫌そうな顔しないで?
さすがの僕もちょっと傷つくから。」
あれから、僕とお兄様の二人暮らしは順調に進んでる。
意外とお兄様は寂しがりだということを知ってちょっと浮かれたりもしてるけど。
「お兄様、起きる?それとももう少し寝る?」
「お前が起きるんなら起きる。」
うん可愛いが大洪水を起こしそう。
「うーん、僕は朝ごはんを作らないといけないからねぇ。
一緒に起きよっか。」
そう、お兄様の甘えたな一面を知ったせいで、僕は結構辛い。
……下半身的に。
二人暮らしを始めてからすでに2週間は経ってるんだよ?
四六時中お兄様が隣にいて溜まらないとでも?な訳ないでしょ。もぉ生殺し生活すぎて。
はぁ、嫌われると分かっていても、そろそろ娼館にお世話になった方がいいかもしれない。
家で自慰をしても、ねぇ。この衝動を抑えるには謙虚すぎるよ?
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すぅ、すぅ、と、ベッドに潜り込んだお兄様が寝息を立てるのを確認し、起こさないようにベッドからそっと降りた。
もうダメ。我慢の限界、そろそろ一回ヤッとかないとお兄様を襲って本当にありえないところまで嫌われそう。
お兄様そーゆーとこ潔癖だからね。
よし、と気合いを入れて街に転移して、娼館通りに入っていく。
ついでだから良い情報扱ってる店がいいなー。身の危険にはいち早く気付いていきたいよねー。
うーん、あ、ここ良いかも。
なんで?勘だけど。
「ハイル!」
え。
「ハイル!お前、何やって、っ!」
ぐいっと腕を掴まれた、お兄様に。
うわぁ、付いて来てたの全然気付かなかったよ。
「お前、また、っ!なんでっ!」
え、待って待って、なんでお兄様泣きそうなの。待って、だめ、お兄様泣かせたら僕が罪悪感で死んじゃう。
「ちょ、お兄様、なんで泣きそうなの、落ち着いて。大丈夫。」
「大丈夫、じゃ、ないっ!
今すぐ、かえ、れっ!!」
「ちょ、お兄様、腕痛い痛い痛い、握りすぎだよ。帰るから、ね。帰ろ。」
とりあえず取り乱しているお兄様を路地裏まで引っ張っていって、そこから寝室まで転移した。
「ほらお兄様、目を開けて。自宅だよ、ベッドの上。だから落ち着いて?」
お兄様を抱き込んだまま、ぽんぽん、と背中を叩いた。
「くっ、そ……ごめん。」
「お兄様?何に謝ってるの?」
「わ、かってる。お前には、俺の世話ばっかりさせてる。お前だって、その、溜まる、だろうし、家じゃ、俺が、いるから、気軽に誰かを呼べも、しない、だろうし。お前だって、たまには、1人になりたい、ことも、ある、だろうし。
……ごめん、全部俺のワガママだ。」
あー、もう。お兄様取り乱しすぎ。
途切れ途切れになっちゃって。
ほーんと、可愛いの。
「ねぇお兄様、僕はお兄様が大好きだよ。だから、お兄様のお願いは全部叶えたいな。
今日のは、お兄様が1人になったのが嫌だった?僕と離れるのが嫌だったの?」
「ち、が……いや、なんでもない。」
「何が違うの?話して?」
僕がそう言うと、お兄様は、僕の胸に顔を埋めてしまった。
「ぅ……」
唸ってる。んーそれも可愛いけど、ちゃんと言ってくれないと、お兄様のお願いを全部叶えられないから、言って欲しいなぁ……。
「……いて、くれ。」
「??お兄様?ごめんね、聞こえなくて。もう一回。」
あれ。少し、お兄様の体が震えてる気がする。
「だ、抱いて、くれ。」
……僕の思考回路がショートした。
「それ、は、本当にお兄様のお願い?嘘とか冗談とか揶揄いではなく?」
「……っ、だめ、か……?」
あ、やばい、これやばい。
そんなうるうるした目で、耳まで真っ赤な顔で見つめられて、我慢とか無理。
「……わかった。お兄様のお願い、叶えてあげる。」
ごめんね、これは僕の欲望でしかないよね。
理由を聞かないのは、わざとだよ。
でも……もう、限界だったから。
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