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大奮発
「ああ……ヤバい、すごい……迫ってくる、ヤバい……興奮する……ヤバいすごい……すごい……」
春斗は、顔の上に膝立ちで跨る清太郎の玉と竿に釘付けになる。
迫りくる股間に向かってハアハアと息を上げてながら、首を近づけようとするが、清太郎に頭を押さえ付けられていて届かない。舌をめいいっぱい伸ばしても、ギリギリ届かない。スレスレの所で止められて、余計に興奮する。
「俺へにゃっへにゃなんだけど……」
ちらりと振り返ると、春斗は一人で腰を震えさせている程に元気いっぱいだった。
やって欲しい事を一つだけ必ずやってやろうというご褒美に春斗が選んだのは、生たま顔騎御奉仕だった。
清太郎にとっては、顔面騎乗が最も経験の浅いプレイである。世のS女性の様に所望される事はまず無い。このプレイは、女性の肉感的な尻に押し潰されて、圧倒され呼吸を制御される事が良いのでは無いだろうかと思う、流石の清太郎も引いた。自分にもまだ引くプレイがあったのかと、感動している程だ。
探り探りのプレイをする時に、絶対的に何をやっても興奮する相手というのは都合は良いという経験則的知見はある。
試しにガッチリと押さえつけた春斗の鼻先に、睾丸を掠めてみた。
「ひいゃぁっ……」
おかしな声を上げて、ビクリと震える。
その気持ちの悪さが堪らなくなってくる様な気がしなくも無い。微かにだが。頭をフル回転させる様なプレイは久しぶりの事である。
この後どうしたものかと思う。期待した瞳が恐ろしい。この緊張感だけならば悪くはない。
「今触ったな?」
「ごめんなさい……」
必死に頭を枕の方に自ら頭を押し付けて距離を取ろうとする。
「誰も触っていいとは言ってないんだよな……」
「はう……ごめんなさいごめんなさい……あぁ……でもちょっと……我慢出来ないですね。無理です。これは今までで一番厳しいお預けプレイです……」
「そ……そうなんだ……」
やる気を出したそばからうっかり本音が漏れてしまった。
「はい!! 今すぐ舐めたい、しゃぶって、舌で転がして、顔いっぱいに清太郎さんを感じたい!!!」
「どーしようかなーなんかなーされたいって言われるとなーやりたくなくなっちゃうんだよなーー」
「黙ります。黙っておきます。」
「良い子だな。黙るといったなら絶対黙っておけ」
体制を入れ替えて、身体を春斗のペニス側に向ける。シックスナインの格好になって、春斗のペニスに触れる。
「ふん……クッ……」
ガチガチに固く、血管の浮き出したペニスの先からは既にダラダラと雫を溢してぬるぬるしている。そのぬめりを使って素早く擦れば、清太郎の尻を鷲掴みにして、声を殺している。目は、ギンギンに見開かれていて、死ぬ程気持ちが悪い。
ペニスの先に舌を当てると、全身がビクリとする。
「ひゃぁっ……あっ舐め……ああっ」
「声出すなって言っただろ」
「ふぐっ!!!!!」
清太郎は、いよいよ玉を春斗の口に押し付けた。馬鹿な事をやっているな……と思いながらも、体格の違う春斗の口元に睾丸を押し当てれば、清太郎は春斗のペニスは舐められない。
身体を軽く起こして、グリグリと押し付けた。
睾丸にくぐもった振動が伝わる。悪くは無いが、興奮はしない。一頻りペニスや睾丸やアナルを顔に押し付けられて、無尽蔵に雫を垂らす春斗のペニスを眺める。
「舐めたかったんだろ? 舐めろよ。そんで、ちゃんと興奮させろ、これじゃセックスにもならない」
「ふぁい!」
そこからは、春斗は鷲掴みにした尻をさらに強く掴み、擦り付ける様に睾丸を舐め回し、ゆっくりと竿に移動して、柔らかいペニスを咥え、グチュグチュと音を捺せながら舌で転がし、先っぽを舐める。次第に、春斗の口からはみ出す様に、清太郎も勃起することが出来た。
春斗は枕元に転がしたローションを使って、肛門も解しにかかる。繊細な仕事をする器用な指先が、前立腺の一点をクリクリと刺激すれば、清太郎も腰をくねらせる。そして、春斗の喉を清太郎の物が圧迫していく。
指を増やして、ぐずりぐずりと広げていく。春斗は快楽主義だ、前立腺を執拗にいじる癖がある。シンプルに物理的な快楽を与えてくる。清太郎はこの即物的で雄々しいやり方が好きだった。
純粋に気持ちがいいからだ。
「もう、入れろ……」
がばりと、体制を入れ替えられた時の、春斗の切羽詰まった顔に、清太郎は腹の奥がジンジンした。
自律神経がいかれてしまう。
「やっぱりかっこいいなぁ……」
「今凄くだらしない顔してる自信があるのですが……」
心なしか、セックスをする時の春斗はいつもより低い声の様なきがする。
「でもかっこいい……」
「清太郎さんは美しいです。僕の御主人様……」
腰をしっかりと掴み、押し込んでくる。
「くぅ……」
春斗の声が切なくもれる。
じっと留まって、入れた瞬間の射精を回避する。
「はっ……気持ちいい……」
春斗がゆっくりと奥を突けば、清太郎は身体を強張らせる。緩んだらまた突く。その単純な繰り返しは、徐々に徐々に清太郎の余裕を無くしていく。
唇を噛み、頭を揺らしてしまう。
大きく脚を広げて、悶える。首筋には春斗が吸い付いている。
春斗の割れた腹の下で、ペニスが潰され、擦られる。
「もうむり、いくっ……」
言い終わらないうちに、どくどくと溢れ出る。
「春斗、ちょっと、ちょっとストップ……今日は……ゆっくり……」
春斗は、心得てじっと待つ。すぐにでも射精出来そうであるが、それでは勿体ない。
そして、息が整うか整わないかと言う所で、少し激しく掻き回せば、清太郎はそのまま再び絶頂を味わう。
「も……春斗もいけ……」
「ん……すみません……ゴムつけ忘れたから……外で……」
「今更! 良い、もういいから……早くいけ!」
「すみません……」
春斗は、清太郎をひっくり返して、後ろから清太郎を突き刺す。前立腺に擦り付ける。
「うぅっ……」
「あぁっ……」
ビクリとしたあと、春斗は清太郎を布団に抑えつけて射精した。
「一回でいいのか?」
「そういう事を言われたら止まらなくなる……」
腰を持ち上げて、清太郎のペニスを握りながら、打ち付けた。
「痛くないですか……?」
「もう感覚ねえや……」
中に出した精液を、春斗に掻き出されながら煙草を吸う。
露天風呂のシャワーは結構寒い。
「終わった?」
「はい。多分……奥の方のも出てきたかと……」
シャワーで丁寧に洗い流される。そして露天風呂に飛び込んだ。
「はぁ……なんか物凄い変態とセックスしてしまったという物悲しい賢者タイムが……」
清太郎は、そのまま大欠伸をする。
まだ日が落ちてそんなに経っていない。普段なら仕事をしている時間だ。
「そんな、わかりきった事を〜」
「俺は生たま顔騎にはついていけねえわ……」
「最高でしたよ? 押し付けられたすべすべふわふわの感覚とか……思い出すだけで上がりますねぇ……」
「そりゃあどうも……」
「清太郎さんの全身が大好きです!」
グリグリと抱き締める。
後日、首に残った口吻の跡を発見し、春斗はボコボコに叱られる。
しかし、清太郎は清太郎で特に隠しもせずに出勤するのだった。
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