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第8話 かわいいお誘い
仕事の合間の休憩時間には、縁側で二人並んで日向ぼっこをしよう。
万葉の脚に頭を乗せて、俺は目を閉じる。
「えーき」
「んー?」
くすくすと笑いながら万葉が俺の髪を梳く。
「気持ちいいのは知っているけど、寝るなよ」
「んー。大丈夫、寝てない」
「でも眠そう」
「気持ちいいから」
頑なさと不自然さが消えた万葉はますますかわいい男で、最近の破壊力はハンパない。
俺以外のところで、俺の目の届かないところで、ハンパない破壊力を発揮しているんじゃないかと、俺の方が不安になる。
でも、これが万葉だったなと、思う。
甘くて穏やかで人当たりが良くて、微笑むだけでそこらじゅうの女子をうっとりさせてた男。
俺だけに甘える、かわいい奴。
ちゅ。
柔らかい物が、額に触れた。
「寝ちゃ駄目だってば」
「それすると、他のとこが起きますが」
「いいですよ」
以前は明るいところで誘ったりしたら、いろいろと理由をつけたりして逃げ腰になっていた万葉が、なんでもないことのように言う。
それでも目を開けてよくよく見れば、ほわっと耳が赤くなっていて、照れまくっているのはバレバレだけどな。
うまそうな、桜色の耳たぶ。
「誘ってる?」
「誘われてくれる?」
かわいい顔で微笑みながら、万葉が眼鏡を俺に預けた。
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