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第1話 冬の月
僕は冬の月が苦手だ。基本的に季節は苦手だが、1番苦手なのが冬の月だ。
しんしん降る雪。凍える寒さ。全てが苦手なのだ。
冬の月はあの頃を思い出して、フラッシュバックが起こりやすくなる。
「エレ...大丈夫か?寒いだろ?おいで?」
そう呼びかける国王のアルディス。
アルディスは僕の大切な人で、トワール王国を護ってる。仕事はサボる時もあるけど、とても優しい人だ。
僕の説明?
僕はエレーヌ。国王側近を任されてる。
僕も周りからは優しい人と言われているが、よく分からない。
冬の月が来ると体調が悪くなるし、アルディスの外交中は寂しくて1人になれない.......
アルディスも優しく可愛いと言ってくれる。僕は男だから可愛いと言われると、くすぐったいが嬉しいのも事実。
アルディスの側に行きたいので説明は終わりにするよ。
「アルゥ....」
エレーヌはアルディスの側に行き、くっつく。
「寒いだろ?」
アルディスはエレーヌをギュッと抱きしめる。
「うん...アル.....暖かい」
エレーもアルディスを抱きしめる。
「眠いだろ?」
「うん...おやすみなさい」
「おやすみ」
アルディスは軽く口付けをした。
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