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第1話 大好きな人
「ふ〜じさん♡」
「ば!! 離せよ!! ミハイル!!」
ギュッと後ろから抱き締めると、いつも通りの抵抗にあったけど、藤さんの抵抗は正直そこまで効いていなかったりする
だって 俺に包まれている藤さんは微妙に身じろぎはするけど、蹴られる訳でも 殴られる訳でも無い
でも気に入らない事があって、俺は頬を膨らませた
「もう…
いい加減ミーシャって呼んで下さいって何回も言ってるのに…」
「絶対呼ばねぇから!!
大体いい加減って何だ!!
俺とお前は まだ1ヶ月程度の付き合いだろうが!!」
藤さんの言葉にムッとした俺は、小さい身体を包む腕にもっと力を込めた
そしたらね…更に気に入らない事が起こったんだ
「恵斗」
「哲也… 何⁇」
そんな声が聞こえれば、藤さんは 必ずそっちを見る
しかも普段見せないような切なさそうな瞳で…
ねぇ 藤さん どうして⁇
今 藤さんに触れてるのは俺なのに、何で俺の事 見てくれないんですか⁇
お願いだから 俺の事もそんな風に見つめてよ…
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