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第2話 大好きな人 Ⅱ

全体練習の後、藤さんにギターを教えてもらう時間が好きだ 俺が唯一、藤さんを独り占め出来る時間だから 「ミハイル、ここ弾けるようになった⁇」 「え⁇ 出来ませんけど」 俺が答えるのとほぼ同時に、バシンと音を立てて頭を叩かれた 「お前やる気あんのかよ!?  お前がギター弾けるようになりたいって言ったんだろ!?」 「すみません!!  もう一回だけお手本見せて下さい!!」 「…たく」 藤さんは小言と暴力は多いけど、それでもいつもちゃんと練習に付き合ってくれる 「ちゃんと見てろよ…」 軽くメロディーを口遊みながら弦を弾くその姿に 俺は見惚れていた 窓際に座った藤さんに夕日が当たると、栗色の髪がキラキラしてすごく綺麗 「分かったか⁇ やってみろ」 「…あ…はい」 藤さんの手元をちゃんと見ていなかった俺が弾ける筈も無く、また藤さんの鉄拳が俺に飛んで来たのだった

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