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第4話

(淳来るの遅いな) 『なぁ、亮来てないんだが  誰か知らないか』 部下に問い掛けると 信じられない言葉が返って きた。 『亮さんは、今日の朝  辞めましたよ』 『えっ、朝?』 嘘だと思い電話を したが繋がらなかった。 それからも電話をして いるが、一向に繋がらない。 (どうしたんだろう) 麗は心配になった。 そんな中、夜遅くに 電話が来た。 (淳かもしれない!!) そう思い慌てて電話を取る と、聞き覚えのある声がした。 『麗、久し振り』 『その声は・・亮』 忘れてたくても、 忘れられなかった 唯一の存在。 『今から、そっち行くから』 『何で、家が分かるの?』 『それは、うちの秘書が  役に立つの知ってるでしょ』 確かに亮の秘書は有能 だった。 麗は怖くなった。 『来ないで!!  俺達もう別れただろ』 『あれは、一方的に決めた  事だろ。俺達はまだ  付き合っているんだよ』 『とにかく、来ないで!!』 『それは無理だ。だってもう  玄関にの目の前にいるもん』 麗は急いで玄関のドアノブを 捕まえようとしたが、一足 遅かった。 『麗、久し振りだね』 『・・』 麗は何も言えなかった。 忘れようとした相手が 目の前にいるのだから。 『ずっと見てたよ、麗。  日本に来てからずっとね』 亮は、麗を抱き締めキス をした。久し振りに交わした キスは甘くとろけるような 感覚がした。 『やっ、めて』 麗が抵抗すると、亮は それをかわして唇を貪った。 『麗は、僕の母さんに  脅されて別れたんでしょ』 『えっ、何でそれを』 『母さんに直接聞いたら  教えてくれたんだ。  何で、相談してくれ  なかったの』 亮は、怒りを(あら)わにした。 『迷惑を掛けたくなかった、から。  亮は社長になるし・・』 『そんな、言い訳聞きたくない!!』 麗の腕を引っ張り、ベッドの ある部屋へと連れていった。

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