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第44話

■■■ 二人してベッドに寝転び、侑生に抱きつかれながらぼんやり天井を見上げる。 「こーうーちゃん。体辛くない?痛いところない?」 「……」 「え、洸ちゃん、目開けたまま眠る技習得した……?」 「……疲れた」 「あ、良かった。起きてた」 ちゅ、ちゅ、と頬にキスをされる。 それから首筋に、肩に、時々小さな痛みが走るのでその度にキスマークが着けられているんだろうなと思う。 「侑生、擽ったい……」 「んー、ごめんね。まだもうちょっと我慢して」 「やだ……もうやめて。休みたい。」 「なんでぇ……!」 シクシク、泣き真似をする侑生にジトっとした目を向ける。 「お前が激しくしたせいで、俺の腹の中、まだ侑生がいる感覚がして……違和感がすごいんだよ。変に触られたくない」 「……ここぉ?」 「っ!や、めろっ!」 下腹部をぐーっとゆっくり圧迫されて、体が勝手にビクビク震える。 咄嗟に手を振りあげて侑生の頬を叩けば、「いてっ」と言って手が離れた。 「ひどい洸ちゃん。結構痛かった」 「触られたくないって言っただろうが」 「……ごめんね」 「……俺も叩いてごめん」 叩いてしまった彼の頬を撫でる。 もう一度謝れば、侑生は嬉しそうに微笑んで俺の手に自分の手を重ねた。 「いいよ。嫌なことしちゃったのは俺だから。」 「……侑生って本当、俺に甘いよな。」 「洸ちゃんだけね。他の人に優しくしたって意味が無いし」 「俺に優しくして意味があるってこと?」 「意味、というか……洸ちゃんはいつも俺を愛してくれるでしょ。だから俺もそうしたい。愛情の中に優しさは必須だし。」 「……俺が愛さなくなったら侑生も俺を愛さない?優しくなくなる?」 嫌な質問をすると、侑生は目を細めた。 あ……と思うより先に、彼が俺に覆い被さる。 「仮に……洸ちゃんに愛して貰えなくなっても、俺は一生洸ちゃんを愛してるよ。」 「そ、んなの、わからない……。」 「わかる。俺には洸しかいないから」 ちゅ、とキスをされて抱きしめられる。 心臓がドキドキとうるさい。 「俺が……侑生を愛さなくなることは、無いよ。」 「本当……?それなら、俺はすごく嬉しい。」 髪を撫でられ、至近距離で柔らかい侑生の表情を見る。 ──俺にもきっと、侑生しかいない。 そんな想いがストン、と胸の中に落ちた。

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