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第49話
ふざけ合っていると侑生がニヤニヤ笑いだして俺のお尻をムニッと揉んできた。
その手を叩き落としてついでに頬を軽く叩けば、シクシクと泣き真似をする。
「下手くそな泣き真似はいいから、無断で俺のお尻触らないでもらえます?これは俺のなので。」
「え、俺のじゃないの?」
「真顔で何言ってんだ」
自分のものでは無かったのかと目を見張る侑生。
今度は俺がケラケラと笑う番で、けれど彼は百パーセント冗談だったわけではないようで、少し拗ねている。
とがった唇が可愛い。
思わずキスをしてあむあむと唇を噛むと、侑生はされるがままでいる。
それが面白くなくて、左手で彼の頬を撫で、右手で胸を撫でてやると、段々とノってきたようで、俺の腰に手を回し強い力に押されて密着する。
「洸ちゃんのえっち」
「えっちな俺が好きなくせに」
「どんな洸ちゃんも大好きだよ」
どちらともなく唇を重ね、段々と深くなっていくそれに頭の中がフワフワとし始める。
気持ちいい。勝手に腰が揺れてしまう。
「んぁ……ふ、侑生ぅ……」
「んー?」
ニヤニヤ笑う彼は俺の腰を撫でながら、言葉の続きを促すように首を傾げる。
「キスしたら、スイッチ入っちゃったの、俺だけ?」
そんな意地悪に簡単に屈する俺ではないので、そう言って侑生の首に腕を回し、軽くちゅっとキスをすると、彼はいよいよ笑顔になった。
「俺もスイッチ入っちゃった」
「ふふ……」
俺を抱えたまま立ち上がった侑生は、寝室に移動してベッドに座る。
服を脱ごうとして、侑生に手を掴まれ「だーめ」と甘い声で止められる。
ドキドキしながら彼を見て「シないの?」と聞けば首を左右に振った。
「まだ脱がないで」
「……なんで?」
「……試したいことがあって……」
「は?何。変な事ならしない」
「洸ちゃんが乳首だけでイけるように開発したい」
「い、嫌だ!」
ツン、と彼の指先がちょうど乳首を突いた。
慌てて両手で胸を隠すと笑われたけれど、これは避けなければならないと侑生の膝から降りる。
「乳首でイくのは嫌だ。日常生活に支障をきたしそうだから無理。開発するって言うならエッチしない。」
「……必死すぎるでしょ」
「必死にもなるだろ。嫌だもん、本当に。」
今だって乳首で感じてしまうのに、イけるようになるまで敏感にされるなんて嫌だ。
そのうち服が擦れるだけで頭が真っ白になるかもしれない。
「だもんって……可愛い。わかったよ。今日はしない」
「今日だけじゃないから!」
訂正してもらおうとして、すぐに唇を塞がれた。
優しく首筋を撫でられ、軽く圧をかけられる。
少しだけ息が苦しくなっている中、舌を絡められると何を考えていたのかも忘れ、気がつけば夢中になっていた。
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