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第26話

惇生に道案内された先。 大きくはあるが、良くある大衆食堂。 「向日葵食堂...?」 店の隣にある砂利道の駐車場に車を止め、惇生の後に付いて歩く。 引き戸の扉を惇生は勢い良く開けた。 「いらっしゃ...!て、なんだ、あんたかい」 太めな中年な女将が惇生を見て、輝いた笑顔を一変させた。 「なんだよ、腹減ったから、飯食わせて。ほら、大悟も座って」 2人の作業服を着た男性客が黙々と食事している中、1つのテーブルに向かい合い、座る。 「...お前の家?」 「家っつーか、うちが代々、やってる食堂」 「惇生の友達かい?モデルさんみたいにカッコいいねえ」 2人に水を出しながら、惇生の母が大悟を暫し見つめた。 「同じ大学なんだけど、モデルもやってるんだよ」 「ああ!やっぱり!一般人とは違うと思ったよ!」 「惇生、お前、余計な事、言うなよ」 「余計な事、て、事実じゃん?うちの唐揚げ、マジ美味いんだ。うちの一番メニュー」 「唐揚げ?」 思わず、古く煤けたメニューを手に取り、目で追った。 「俺も久しぶりに唐揚げ定食にしよっかなあ」 グラスの水を飲みながら惇生が言う。 「はい、お待ちどうさん。唐揚げ定食ね」 「...凄い量だな」 てんこ盛りな唐揚げに目を奪われ、嗅覚も刺激される。 「普通の量だよ、ま、食べてみてよ」 言われるがまま、割り箸を割り、唐揚げに齧り付く。 「...んま!」 「だしょ?」 ニヤッと惇生は笑うと自身も唐揚げを頬張った。

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