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第25話

ケープを被せられ、鏡越しに美容院を見る。 「スタイリストの中野純平。よろしくね」 「よ、よろしくお願いします」 鏡越しの満面な純平の笑顔に緊張が走った。 イケメンだな、と思う。美容師、て、どうしてこうもイケメンが多いんだろう、とも。 「大悟はストレートがいい、て、言ってたけど、緩いパーマ当てても似合うかもね。時間が掛かるから、大悟を怒らせそうだけど」 「は、はあ」 素っ頓狂な返事がついて出る。 「結構、伸びた感じ?どの位の頻度で美容院、行くの?」 「き、気が向いた時、というか...美容院ではなく、床屋に行きます...」 「床屋?」 かあっ、と羞恥で顔が熱くなり、思わず顔を伏せた。 「まあ、いいけど、大悟が知ったら怒りそうだね。大丈夫だよ、内緒にしておくし。じゃ、お任せでいいかな?」 「は、はい、お願いします」 結果、トリートメントまでされ、鏡に映る自分に暫し見蕩れた。 大悟はお代を払っただけでなく、美容院のシャンプー、コンディショナー、トリートメントも買い、惇生に渡した。 「う、受け取れないよ」 「だったら捨てろ。俺は自宅にあるから必要ないし」 捨てろ、と言われてしまうと受け取る他ない...。 そうだ、と惇生は閃いた。 「お礼にいいところ、連れて行ってあげる」 嬉々とした惇生とは打って代わり、大悟は怪訝に顔を歪めた。 「...また、お前の運転じゃないだろうな」 「さすがにもうやめとく。大悟も多分、気に入るよ」 はて?と大悟は惇生を見つめた。

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