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第24話

大悟がコインパーキングに車を停め、惇生を連れ立って歩き始める。 「ほら、行くぞ」 大悟に連れられ、一軒の店に辿り着き、看板を見上げて、惇生は呆然と立ち尽くした。 ルイヴィトン...。 ブランドに疎い惇生にもさすがにわかる。 「大悟の買い物....?」 「まあ、そうなるけど、お前の服を選ぶ」 さあっと血の気が引いた。 「い、いい!」 「なんだ?ヴィトンは好みじゃないか?」 惇生は声にならず、首をブンブン縦に振った。 大悟はため息をつき、 「だったら仕方ないな」 惇生が安堵したのも束の間。 続いて、歩き、着いた先はシャネル。 店先で惇生は目を見開き、立ち尽くした。 「ほら、惇生」 「む、無理....」 「は?」 「か、買えないし!こ、こんな高級ブランド!」 「別にお前が金出さなくてもいい。なんだ、シャネルも不服か?」 「ふ、不服だ」 「ったく、仕方ないな」 不意に惇生はジャーナルスタンダードの店に視線が止まった。 「ジャーナルスタンダード?」 「い、いい、見てただけ」 「見るだけじゃなんだ、入ろうぜ、せっかくだし」 そうして、惇生の手首を掴み、大悟は店に入る。 大悟から手首を離され、惇生はトップスやアウターに目を奪われた。 「こいつに見立ててやってくれ」 店員にそう言い、惇生はぎょっとした。 「手足も長いし、カジュアルもモード系もイケそうですね」 その後の惇生はまるで、マネキンか、着せ替え人形になった気分だった。 「それ、全部、くれ。今、着ているのは、値札を切って」 「わかりました」 とんでもない額をなんて事ない顔で、大悟はカードで支払った。 「ほら」 3つに纏められた紙バックを大悟から手渡された。 「...どういう風の吹き回し?」 「せっかく、いいツラしてんのに、服装くらい気を使え。もう1軒、行くぞ」 大悟についていくと、美容院だった。 どうやら、大悟の行きつけらしく、スタッフと会話している。 おどおどしていると、大悟と会話していた、感じのいい、爽やかな笑顔の美容師が惇生を案内した。

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