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第33話

「で?どっちが加藤くんで、どっちが鈴木くん?」 「こっちが加藤くん。こっちが鈴木くん」 茶トラの加藤くんと、キジ猫の鈴木くんを惇生が紹介した。 「ふわふわ...」 二匹とも大悟におとなしく撫でられた。 「猫、触んの初めて?」 「初めて」 食堂の二階。ギシギシ、木造の階段を上がると二匹が待ち構えるように座っていた。 「餌は?」 「いつも下で母さんか父さんがあげてるから、唐揚げ」 「唐揚げ?」 「嘘。鰹節だったり、チクワだったり」 「へえ...」 そうして、惇生の実家の部屋に入った。 学習机が目に飛び込む、物が多い、手狭な一室に大悟が立ち尽くす。 「...狭いな。そして古い」 「うるせー」 大悟の腕を掴み、ベッドの端に座る。 「やらせて」 「は?下にお前の両親いるだろ」 「大丈夫。客が多いし。それにうち、放任だから、わざわざ部屋上がっては来ない」 そのまま、押し倒され、抗った。 「ま、待て」 「なに?」 「また俺がウケ?」 「仕方ないじゃん。気持ちいいって知っちゃった。それに、俺、痛いの嫌い」 「そりゃ、俺だって....ッ」 唇を塞がれる。下手くそで傍若無人なキス。 シャツの裾から素肌が撫でられ、ゾワッとした。 「せ、せめて、掛け布団」 「了解」 掛け布団を被り、惇生に翻弄される。 声を出さないよう、はっはっ、と荒い息遣い。 掛け布団が動き、中では腰を打ち付けられながら、何度もキスをした。 終わると、 「もう1回しよっ」 屈託のない、真っ直ぐな瞳の惇生に翻弄される。 そして、互いに2回放出すると、確かめ合うように、キスを交わす。 「あー、喉乾いたし、腹減った」 「下行こっ」 「お前んちの唐揚げ知ったせいで、学食の唐揚げのランクが落ちた」 「食べたくなったらいつでもおいでよ」 「お前は作れないの?」 「親父の跡、継ぐには早い、てレシピ教えてくんないもん。はい」 惇生が差し出した手に大悟は手を重ねた。 一階の食堂に向かうまで、手を繋いだ。 大悟も惇生も互いにその暖かい手のひらが、まるでとうの昔に知っていたかのような懐かしさを感じた。

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