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ドキドキしちゃうよ

アルフリートが専属執事になって一ヶ月。 僕の生活は少しずつ変わってったんだよ。 最初はどうしても呼び捨てにできなくて、アルフリートさんって呼んでた。 だって、大人の人を呼び捨てにした事ないし、僕には出来そうになかったんだもの。 だけど、この学校やお屋敷では人前でしちゃいけないって言われたから、言いそうになる度に手で口を押さえたりして。 苦笑いするアルフリートを更に困らせたくなくて、でもどうしたらいいか分からなくて…。 だって、聞いちゃったんだ。 従兄弟のエドガーについてる執事のリチャードさんとアルフリートが話してるの。 「君も大変だね。 躾もマナーも行き届いてない子供につくなんて」 「……するつもりですか?」 「アルフリート?」 「貴方も私の大事な方を愚弄するのですか? 従者を気遣う、心根の優しいあの方を」 至らない僕を庇ってくれてたんだ。 ダメだよね、しっかりしなきゃ!

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