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プラン0

拝啓、お父さんお母さん。春の日差しが柔らかく新緑色づく季節となりましたがいかがお過ごしでしょうか。 僕もこの度、高校という新しい土地ですくすくと元気に新芽を伸ばし、あわよくば新しい花を咲かせようと意気込んでいる今日この頃です。 話は変わりますが、僕は現在、通学途中の電車に揺られながら新しいクラス、新しい友人の事を思いながら・・・痴漢にあってます。 とまあ、まだ痴漢と確定したわけではないでしょうけど、満員電車の中ドア側へ押しやられ僕の臀部に触れるのは男性の手のひら。 さらには揉みこむように動いているともなれば、相手は断罪されるに値するわけで、思わず冷静になるために脳内で手紙を綴るのも仕方ないといえるでしょうか。 ほら、抵抗しないことをいいことに僕のズボンのジッパーが彼のもう片方の手で下されそうになります。 これ以上は公然わいせつ罪もしくは軽犯罪法1条20号の違反になります、僕が罰せられる可能性もあるのでやめていただけないでしょうか。 そんなことを考えつつ股間を必死に抑えていたら、頭を後ろから押されて窓に押し付けられました。 思わず窓に手をついてしまい、無防備になったところに迷わずごつごつ節くれだった手がもぐりこんできます。 手の甲にも毛って生えるんだなと変に冷静になった頭が考えます。 その手で僕の大事な部分はわしづかみにされ、思春期には多過ぎるその刺激は男色に興味のないはずの僕の部分を大きく屹立させてしまいました。 そして、隆起した先端にかすかな風を感じた僕はこれ以上この光景を見ていられず外の景色を眺めてやり過ごすことにしたのです。 冷静になっているつもりだったんでしょうか。 窓ガラスに映っていた自分の知らない自分の顔、紅潮し涙目になっている欲情ともとれる甘い顔は一体どんな感情を反映していたのでしょうか。 目を背けたいのに押し付けられているせいで目が離せません、こんな顔僕は知りませんし見たくもありません。 そんな中たまに自分の顔が見えなくなることに気付いたんです。 吐く息で曇る窓ガラスは、その時だけ僕の顔を隠してくれました。 僕は、自分の顔を見ないようにするために必死で息を吐きかけ続けることにしました。 もうこれ以上、汚い僕を見せないでください。 なぜ息は吸わないと吐き続けられないのでしょうか。 なぜ僕の呼吸の間隔は速くなってしまうのでしょうか。 なぜ声が出てしまいそうになるのでしょうか。 なぜ僕には下半身から湧き上がる川が逆流するかのようなこの感覚を止めることができないのでしょうか。 だれか助けてください。 その終わりは頭にかぶさった見覚えのあるブレザーと唐突なシャッター音で終わりを迎えました。 「なぁオッサン、住所と名前バッチリ頂いたけどこのまま続ける?」 つきましてはお父さんお母さん、僕は恋に落ちました。

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